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ワークライフバランス in 論語

2005-11-11 00:16:52 | ブログ

「子曰く、道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に游ぶ。」 (述而)

(論語の読み方(渋沢栄一)p184より引用) 完全な人間になろうと思ったら、道に志すと同時に、徳と仁を踏まえなければならない。しかし、これだけでは人間が堅すぎて窮屈になってしまうから、六芸(礼・楽・射・御・書・数)で多少の余裕を身につける必要がある

 儒教はある面社会秩序を重んじる教えです。
 そのため、親子・君臣・長幼といった「自分と他者(彼我)との区別」が前提となります。そうすると、悪くすればその両者の離反(Gap)を招いてしまいます。
 この弊害を避けるために「楽」があります。「楽」は心を合わせる「和」を重んじますから、彼我の溝を埋める働きがあるのです。「礼」と「楽」とでバランスをとっているともいえます。

 ところで、最近「ワーク・ライフ・バランス」ということが多くの企業で言われ始めています。

 この背景には、

  • 度重なるリストラ等厳しい会社環境の中での社員の心理構造の変化や社内コミュニケーションの希薄化
  • 長引く不況・競争激化の中での長時間労働の恒常化
  • ITの進展によるいつでもどこでも仕事に応じなければならない状況の現出とそれに伴う仕事とプライベートの境界の曖昧化

等があり、それらを遠因・近因にするストレス疾患が急速に増えているという問題意識があるようです。

 もちろん「ワーク(と)ライフ(の)バランス」といっても、具体的にどんな状態がバランスがとれているのかは人それぞれ異なります。
 仕事と家庭・健康・趣味・自己研鑽などのバランスをどのように取るかは個人的な価値観にかかわることです。が、「100%仕事のみ」というのはありえないでしょう。
 むしろ積極的に自分の時間をつくり、それを有意義に活かすことをもっと本気で考えるべきだと思います。

 いくつもの顔を持つ人は羨ましいです。時間は戻ってこない貴重な資産ですから、無駄なく何倍にもして使いたいものです。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (てんこ)
2005-11-14 16:41:10
こんにちは。
なるほど。論語はいろんな読み方ができるものですね。
自分流の我田引水的な読み方ばかりして、ちょっと頭が熱くなってきてるかなと感じていたところなので、少し冷静になれた感じがします。
どうも詩人は、詩的に、自分の感性に偏った読み方をしていかんです。まあ、それが詩人なのですけど。
しばらく論語は休んで、他の分野を飛ぼうと思ってます。
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コメント、ありがとうございます。 (思案中)
2005-11-17 00:26:08
コメント、ありがとうございます。
 てんこさんの論語バージョンは、登場人物(孔子やその弟子たち)が人間的魅力をもった個々の人物として親近感をもって描かれているので、「孔子さんだってそうだよね」という風に感じられて楽しいです。
 また、時折、論語バージョンも織り交ぜていただければ嬉しいです。
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