ちょっと残念なニュース。建築雑誌「DETAIL JAPAN」が休刊するという。
昨年暮れに定期購読の請求書が来て2年分予約したばかりというのに、この1月号で休刊の案内と急な展開である。
詳しく問い合わせると、本社の方針だそう。ドイツ、ロンドンでの判断だとか。
ドイツ語、英語、スペイン語、中国語が出版されている中、日本語版の廃止である。世界的に見て日本の建築界の将来を危ぶまれたようでがっかりである。
「DETAIL」はドイツの老舗雑誌で写真ばかりの建築雑誌と違い、図面が掲載されており、とても興味深い雑誌。その名のとおり、ディテール(=詳細の納まり、ビス一本まで描かれいる)が売り。でもちょっとマニアックかも。
英語版は以前から日本でも手に入ったが、日本語版はここ数年刊行されたばかりで、語学が不得意な身としてはありがたい存在だった。
一方で、このような外国の詳細な情報が今の日本で求められているか、どれだけの人の実務に役だっているか疑問も持ってはいた。店頭ではもっと実用的かつ欲しい情報が手に入る。
それでも定期購読を決めた理由は、「視野を広く持っていたい」という理由である。写真や図面から、ヨーロッパの空気、時代感、建築づくりの視点などを感じるのが好きなのだ。
今後、定期購読を英語版へ移行するかどうか出版社で検討中だと言う。そこに希望を見いだすか、潔く見送るかもう少し情報を得て見極めようと思う。
そろそろ来年の予定を書込みたい。
シンプルな手帳がいい。
けれど、いろいろと使い方に我がままもある。毎年、悩むこの時期。
売り場へ行けば、こんなにも種類が増えているのね、と驚く。ユーザーの欲望に。
成功者の勧める時間管理の手帳、有名なものから、色で楽しむものまで。
仕事を始めてから、一貫して見開き週間の手帳を使っている。毎日の様々なやること、やりたいことをどんどんメモして行けるので、気に入っている。しばらくレフィルで使っていたが手帳がかさばり、一つの荷物になってしまうのが難点で、近年、なるべく薄いものにと変えた。
革張り、布張り、ビニール製、、いろいろと試してみたが一長一短。
チェックするのは、使い勝手も大事だけど、線の薄さ加減や、文字のフォントに配色、六曜などの情報があり、しかもそれがさりげなく記載されているとgood。
今年は、、
それらの条件をほぼ満たしてくれるものを発見。
毎年、手作りしようかと思うくらいに条件を満たすものが見つからないのだけど。
数字がやや小さいのと、外の手触り感が若干気になる点を除けば、合格点。
もう、これに決めよう。
購入したものは、たぶんドイツ製の日本語版
、、、と思いきや、表紙がドイツ語なのでだまされました。
多分こちらの商品
http://www.delfonics.com/products/
実は日本の企画で欧州風の文具を作っているよう。
ノートは見かけたことがあるので、
あまりにカジュアルで、いままでこの手帳は、見落としていたのかも。
まぁ、これも一つのご縁。活用しましょっ。
仕事始め、少しゆっくり目の今年のスタート。お正月休み中に、初売り(初買いといった方がいいかな)でブロムスのボードをゲット。マグネットの付くホワイトボードをデスク前に置きたくて実用的でコンパクトで、シンプルなモノをずっと吟味していたのだけれど、これといってヒットするモノがなく、あきらめていたところに出会って、うれしい。書込むところもホワイトではなくシルバーと、イメージしていたものよりよりクールでGood。
ちなみにブロムスはドイツのメーカーだけど、ステンレス製の小物をいろいろ作っている。そこのメジャーがどうしても欲しくて、日本では扱いがなく以前個人輸入した程。今回は偶然にセレクトショップ的なところで見つかった。なるほどいいなと思えるモノには同じ精神が宿っているのかなと感じた出来事。
「潜在自然植生」理論の生態学者「宮脇 昭氏」の言葉の中で私が感銘を受けたものに、「本物と繋がれ、本物を見極めよ」というものがある。また、「大事なのは、いかに本物であろうとするか、そして、いかに本当の師や仲間とつながっていくか」と説かれる。自分の仕事のスタイルに迷った時、判断に悩んだ時、この言葉に励まされる。先日、インテリアのコーディネート依頼のため、家具店を巡っていた時もこの言葉が浮かんできた。
・ ・ ・
実は前々からとても気になっていた家具があった。国産のソファである。これまで家具選びを何度も経験して、ソファは外国産にかなわないという自身の考えが決まっていた。しかし、カタログで一目見た途端、このソファはもしかしたらこれまでの私の考えを覆してくれる物かもしれないと気になっていた。
和なテイストを残しつつ、洗練された現代的デザイン、そして本物の材料。
ところが、以前カタログで依頼主に提示して断られた苦い経験があった。カタログではすっきりしたデザインがかえってごつく見えてしまうのか、別の家具にしたいと言われ、仕方なくその方がご自身で家具店で見つけられた物を購入された。
・ ・ ・
今回は実物を確かめ、座り心地を味わい、手触り、メンテ等の機能様々な要素を比較するうち、一押しの候補になった。予想以上の素晴らしさに私は前回もっと強く進めておけば良かったと深く後悔した。そして、今回は自信を持って依頼主に提案した。ところがである。またしても、別のソファがいいとおっしゃる。
依頼主がカタログ等の写真の印象でこちらが良いとおっしゃるソファは、私自身が実際に座った時、先のソファの座り心地との落差に愕然としたものであった。その時に先の「本物を見極めよ」という言葉を思い出していた。またしても断られて、私の視点や感性は間違っているのだろうかと落ち込んだ。しかし、自信があったので、ぜひ座り心地を比較するよう依頼主に懇願。
結果は、、
座り心地の良さにすぐに購入したい、他の物はもう見なかったとの連絡。
よかったなぁ。理解して頂けたことと、そして何より依頼主の手元に「本物」が届くこと。
これからも迷う時、本物であるかどうかで接していきたい。
(実際に家具が搬入されたら写真をアップ予定です)
インテリアの色や素材を選ぶ時、気を付けていること。それは光源に寄って変わる見え方を確認すること。陽の光では艶があるように見えても、蛍光灯の下ではくすんだり、白熱色の下では色が飛んでしまったり。少なくとも、日光、蛍光灯、白熱灯の見え方の中で比較検討することにしている。特にカタログの色と実物の色は変わってくるため、可能な限りサンプルを取り寄せる。それが無理な場合には、ショールームや実際の事例を紹介してもらって確認に行く。そうすることによって、全体のイメージがまとまってくる。うまく行った時には、もうこれしかないという組み合わせが出来上がる。
(床壁の色に合わせて、家具やカーテンを選定中。それぞれの組み合わせのイメージを言葉にして付箋を貼っている様子)
しかし、今度はそれを依頼主にどう伝えていくかなのだが、感覚に寄るところも大きく、なかなかすんなりと理解してもらうのは難しい。イメージ写真、言葉による表現、サンプルの提示など、いろいろと工夫するのだが、最後はやはり設計者の「感覚の自信」を伝えることだろうか。こちらは幾度となく繰り返している作業でも、相手にとっては依頼は初めて。どこまで任せていいのかという不安感を拭えるよう、日々情報の収集と感覚を研ぎすましておくことが大事と考えている。