せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

北海道と北東北を巡る〜日本の住まいの源流を訪ねる旅01〜

2021年11月08日 | 模型・実験・見学・講習・イベント

北海道は、すっかり紅葉しておりました。

11月になりました。昨日の7日は「立冬」。
いよいよ冬を迎えますね。

珍しく旅紀行をアップします。
(写真が多いです)

コロナ禍の中で延期になっていた研修旅行が
やっと実現しました!

昨年、日本民家再生協会の技術部会(勉強会グループ)メンバーで
筑波大学名誉教授の安藤邦廣先生を講師にお迎えして
「日本の住まいの成り立ち」という連続講座を主催しました。

日本のアジアの歴史から、民族、暮らし、住まい
伝統構法、茅葺の効能、などなど多岐にわたる内容で
大変大きな学びがあり、
主催したメンバーも受講された方も大満足の講義でした。

その中で、縄文時代の竪穴式住居の原型が、
アイヌのチセに残るということから、
復元された村(コタン)を訪ねてみたいということになり、
今回の自主勉強企画が実現しました。

その企画を練る間、今年、北海道・東北の縄文遺跡群が
ユネスコの世界遺産に登録されるという運びとなり、

縄文の特別史跡「三内丸山」から、
岩手の御所野遺跡まで足を伸ばそうということになり、、。

講義の際、現地スタッフとしてお手伝いができなかった分
今年は、幹事を引き受けま〜す。と名乗り出たものの、
最後まで、実現できるのか、ハラハラでした。

(2週間ブログをアップできる余裕がなかったのは
参加人数の調整、宿手配など、
旅の段取りのブラッシュアップで、
あたふたとしておった次第です。)


飛行機の車窓にすでに感激!本州とはまるで風景が違う!!


こんな感じで、ゾロゾロと総勢12名での移動。
ブーツ姿の私を写してくれた写真。
思ったより暖かくてラッキーでした。

実際、私自身は前半で帰りました。
移動の多い、長旅を続ける体力不安に加え、
家庭の事情などもあり。。。
あまり、欲張らないことに。

後半参加のメンバーからは、
写真報告を受けて個人的には満足しています。
遺跡群は、逃げていかないので、(笑)
改めてまた訪ねたいと思います。

・・・・・・・・・・

本日は、まずは1日目の
北海道二風谷チセ群を訪れた写真から報告します。


チセの基本形。左側の入り口は、風除室。必ずある。壁、屋根とも
全て茅葺き。

柱、梁、小屋組に至るまで全て丸太を組んだだけ。

土間に囲炉裏が基本形。

床のゴザや腰部分の模様入りゴザは、暖を取るため。


必ず、隅に神棚。
木の棒に括られた、縮れ毛のような形状の束は、木肌を削り出したもの。
(神社で使われる幣帛の原型と見た!)


水力を利用した杵つき。臼が屋根の下にある。

そのほかにも、屋外トイレや(TOPの写真)
こぐまを飼う小屋などもあり。村の暮らしが再現されていました。

チセの中では、伝統的なアイヌ文様の木彫りの実演も。


博物館には、丸太をくり抜いた縄文時代からあると言われる
丸木舟。

先頭には、やはり神を祀って。

建築やとしては、やはり、空間を肌で感じること
本当に大切だなと改めて思った旅でした。

その場に立って、

観ること。
嗅ぐこと。
聴くこと。
味わうこと。
感じること。

それらを通じて、太古の人々の
知恵、想い、祈りが、より身体に刻まれていくことを
実感しました。

アイヌ文化から学んだことは、
2日目のウポポイを訪ねた感想とともに、
次回に綴ります。


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