せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

うきは、朝倉、桜旅01_伝統的建物はどうやって新築する?

2019年04月01日 | 日本民家再生協会・伝統建築・造園


週末は、日本民家再生協会の勉強会
「九州の民家塾」に参加しました。

ちょうどお花見シーズンと重なり、
道中が渋滞の福岡うきは市吉井町付近。

私自身、九州出身とはいえ、福岡に明るくはなく、
こんなに素敵な桜の名所とは知らずに訪れ、
駐車場待ちで、車の中に閉じ込められる事態に、笑。

見学会開始の、1時間到着予定で
お昼は現地でゆっくりと思っていた予定も狂い、

このまま午後の見学会参加と、諦めていたら
駐車場の片隅販売で、黒スミ食パンの「タモサンド」が残っており、
お花見立ち食いランチとなりました。

一瞬、サンドイッチに見えずに、戸惑いましたが、
なんでも、タモリさんは、奥様が「うきは」ご出身の縁で
うきは市の「ふるさと大使」を務めているそう。

タレントのタモリさんをモチーフにしたのが、
特製サンドイッチ「タモサンド」なんだとか。

ごめんなさい。写真はありません。
現物はお腹に入ってしまいました。

とにかく、そういう地元ネタに疎いので、何事も新鮮です。

お目当の、桜の先に見える焼杉の建築は大迫力。



見学会会場は、福島から移転してきた店舗の工場兼事務所棟。
伝統的建物で新築ということで、大変興味深く、訪問しました。



基礎は金物も使われており、ボード系の壁倍率も利用。
耐震設計も許容応力度計算。一部鉄骨のところもありました。

やはり、新築となると、
ずべて伝統的なものしか使わないというのは
難しいと理解したのでした。

見えている木組み部分は、混み栓があったり、
太い上り梁や頬杖は、
木を表しで使う伝統的な空間の迫力をそのままに
現代の材料、ガラスや金属の要素も加わり、
新鮮な印象です。



温熱環境は、暖房が屋根の集熱による床下空調とマキストーブだそう。
冷房はエアコンの組み合わせ。ガラスも、事務所らしく、
多くの部分が、開閉できないFIX。



快適性を求めたら、全てを自然エネルギーに頼る訳にはいきません。

それを最小限にする試みを目指している身としては、
大先輩の建築でも、やはりそうせざるを得ないのが現状と知り
少し、ほっとするのでした。

関東で勉強させてもらっている温熱環境の第一人者
エクセルギーの宿谷先生が、この春、九州にも教えに来てくださるのだそう。

へぇ。と少々の驚き。
東京の大学を退官なさり、身が自由になられたのかしら。

日本民家再生協会の方は、
新築を作られる場合、必ず温熱環境を考えられます。
その点が、本当に嬉しいですね。

もちらん、私も風と太陽と水と木と土と、
入れられる自然要素を第一に、
輻射熱の環境づくりは、提案しつつ、予算の許す限り(笑)採用します。

この協会のお仲間、先輩方は、
最初に形のデザイン優先ではないところも、気に入っています。
だから学びに来るのですが。

奇抜なこと、変わったことを追い求めるのではなく
本質や本物の追及やこだわりを優先されていると感じます。

私自身も、まずは、空気のデザイン、環境のデザイン、
目に見えない部分のデザインが、本当はとっても大事と
経験で学んできました。

伝統的古民家は、最も優れる環境建築なので、
そういうものを学ぶと、自然と設計がそういう流れになるのか

温熱環境や自然環境を考える方が、伝統家屋に関わられるのか
どちらなのかなぁ。。。

鶏と卵の話になりますね、笑。
私は、結果的に後者です。

学びながら、自分のものづくりの方向性や
大事にするポイントを振り返るブログとなりました。

長くなりました。今日のところは「うきは」
「朝倉」の話、続きは次回に!