『ミステリー・メン』、DVDにて鑑賞。
最高にダサくてカッコイイやつら。
拾い物とはこういう作品をいうのだと思う。
おそらくはほとんどの人がその存在さえ知らない作品をレンタルして、それが思わぬ傑作だったときの快感といったら!
これだからB級映画(この場合はメジャー大作ではない、ぐらいの意味です)を見るのはやめられない。
《ストーリー》
アメリカのどこかにある都市“チャンピオン・シティ”、その街の平和は一人のヒーローによって守られていた。
そのヒーローの名前は「ミスター・アメージング」。
だが彼は困っていた。というのも次から次へと悪党を片っ端から捕らえていったせいで街が平和になりすぎてしまい、このままいけば遠からずヒーローを失職してしまうことに!
一計を案じた彼は獄中の大物犯罪者カサノヴァ・フランケンシュタインを政治力を行使して釈放させることにする。
よし、これで再び街に犯罪の嵐が吹き荒れるぞ!と内心ほくそえむアメージングだったが(なんちゅうヒーローだ)、油断した彼はカサノヴァの手に落ちてしまう。
もはやカサノヴァの行く手を遮るものはない。“チャンピオン・シティ”の命運もこれまでかと思われたのだが・・・。
こんな感じでお話は始まります。
ヒーローがあえなく捕まってしまうので、このお話の主役はヒーローではありません。
では誰かというと、ヒーロー志願のただの三人のオッサンたち。笑。
あくまで“志願”なので、特技はあっても特殊能力はなし。
ざっとその特技を紹介すると、
まず主人公のフューリアス(本名ロイ)の特技は怒ること。たまに怒ってわめいたりもするけど、基本的にただそれだけ。
シャベルマンの武器は文字通りシャベル。シャベルを扱わせれば(おそらく)世界一。でも銃の前ではお手上げ。笑。
ブルー・ラジャはフォーク投げの名手。ナイフなんて物騒なものは決して投げません(なぜ?)。たまにスプーンも投げたりします。(スプーン投げてどーするよ。。。)
こんな三人なので、登場した時点ではまったくの無能。街の警官からは役立たず呼ばわりされ、カフェのウェイトレスは彼らのことなんてまるっきり知りません。
そんな情けない彼らですが、頼るべきもののない今、巨大な悪に自分たちが立ち向かっていかなければならないのです。
カサノヴァに対抗するべく、仲間を集めるためにヒーローのオーディションを開催したり、自らの技を磨くために特訓をしたり、外見こそ大事!とばかりに新しく自分が着るコスチュームを縫ったりと涙ぐましい、というか抱腹絶倒の準備をしていきます。
ヒーローって大概の場合、人にはない特殊能力が生まれつき備わっていたり、もしくはそれが何らかの事故によって身に付いたり、あるいは大いなる存在に選ばれたりして、(自らの意思とは関係なく)なるべくしてなるものですよね。
けれど彼らはそうじゃない。まーったくヒーローとしての素質はゼロ。誰にいわれるでもなくそんなことは他でもない彼ら自身がわかっている。空を飛べるわけでもない、拳銃の弾を避けられるわけでもない、掌から特殊な糸が出るわけでもない、でも!それでもヒーローになりたい!
これ以上ない等身大のヒーロー像に共感出来たし、ベン・スティラーを始めとする役者陣はそれぞれ芸達者だし、小道具や小ネタも笑えたし、『ミステリー・メン』、個人的にはすごく面白かったです。
脚本もよく練れていると思いました。
最終的に仲間は七人にまで増えるんですけど、その七人にそれぞれちゃんと見せ場があるんですよ。
伏線もそれなりにきちんと回収してるし、感心しました。
それに(驚くべきことに?)泣かせるシーンまであります。
最終決戦を前に愛する人に別れを告げに行こうということになって、ブルー・ラジャが(それまで息子の行動を訝しんでいた)母親に初めて正体を明かすんです。
「お母さん、あなたの息子はヒーローなんです。特技はフォーク投げです」
いきなりそんなこといわれたら、普通の母親だったら「お前、頭は大丈夫かい?」とでもいいそうなものじゃないですか。
でもブルー・ラジャのママンはこういうんですよ。
「(持っていく)フォークは足りてるかい?」
その一言で見てるこっちは思わず泣きそうになりました。
さらにママンは息子を誇らしげに見ながらこう続けます。
「お前にもきっと何か一つ、得意なことがあるはずだって私はずっとそう信じていたよ」
そういって家宝である銀のフォークをブルー・ラジャに差し出すんですよ。(そしてそのフォークはちゃんと後々敵を倒すのに役に立ちます。)
泣きました。
えぇ、泣きましたとも。たかだかヒーローものなのにジーンときました。今でもそのシーンを思い出すだけで泣きそうになるくらいです。名シーンだと思います。
ただこの作品、本国アメリカでは大コケし、日本ではビデオ・スルー(劇場未公開)の憂き目に合ってるんですよね。おかげでまったく宣伝をされてないせいで、入荷しているレンタルビデオ屋もごくわずかです。
もしあなたの行きつけのレンタルビデオ屋のヒーローものやSF作品が置いてある棚にこのタイトルを見かけたら、試しに借りてみてください。
クスッと笑えて、ジーンと感動できて、スカッと爽快な気分になれる、『ミステリー・メン』はそんな作品です。
最高にダサくてカッコイイやつら。
拾い物とはこういう作品をいうのだと思う。
おそらくはほとんどの人がその存在さえ知らない作品をレンタルして、それが思わぬ傑作だったときの快感といったら!
これだからB級映画(この場合はメジャー大作ではない、ぐらいの意味です)を見るのはやめられない。
《ストーリー》
アメリカのどこかにある都市“チャンピオン・シティ”、その街の平和は一人のヒーローによって守られていた。
そのヒーローの名前は「ミスター・アメージング」。
だが彼は困っていた。というのも次から次へと悪党を片っ端から捕らえていったせいで街が平和になりすぎてしまい、このままいけば遠からずヒーローを失職してしまうことに!
一計を案じた彼は獄中の大物犯罪者カサノヴァ・フランケンシュタインを政治力を行使して釈放させることにする。
よし、これで再び街に犯罪の嵐が吹き荒れるぞ!と内心ほくそえむアメージングだったが(なんちゅうヒーローだ)、油断した彼はカサノヴァの手に落ちてしまう。
もはやカサノヴァの行く手を遮るものはない。“チャンピオン・シティ”の命運もこれまでかと思われたのだが・・・。
こんな感じでお話は始まります。
ヒーローがあえなく捕まってしまうので、このお話の主役はヒーローではありません。
では誰かというと、ヒーロー志願のただの三人のオッサンたち。笑。
あくまで“志願”なので、特技はあっても特殊能力はなし。
ざっとその特技を紹介すると、
まず主人公のフューリアス(本名ロイ)の特技は怒ること。たまに怒ってわめいたりもするけど、基本的にただそれだけ。
シャベルマンの武器は文字通りシャベル。シャベルを扱わせれば(おそらく)世界一。でも銃の前ではお手上げ。笑。
ブルー・ラジャはフォーク投げの名手。ナイフなんて物騒なものは決して投げません(なぜ?)。たまにスプーンも投げたりします。(スプーン投げてどーするよ。。。)
こんな三人なので、登場した時点ではまったくの無能。街の警官からは役立たず呼ばわりされ、カフェのウェイトレスは彼らのことなんてまるっきり知りません。
そんな情けない彼らですが、頼るべきもののない今、巨大な悪に自分たちが立ち向かっていかなければならないのです。
カサノヴァに対抗するべく、仲間を集めるためにヒーローのオーディションを開催したり、自らの技を磨くために特訓をしたり、外見こそ大事!とばかりに新しく自分が着るコスチュームを縫ったりと涙ぐましい、というか抱腹絶倒の準備をしていきます。
ヒーローって大概の場合、人にはない特殊能力が生まれつき備わっていたり、もしくはそれが何らかの事故によって身に付いたり、あるいは大いなる存在に選ばれたりして、(自らの意思とは関係なく)なるべくしてなるものですよね。
けれど彼らはそうじゃない。まーったくヒーローとしての素質はゼロ。誰にいわれるでもなくそんなことは他でもない彼ら自身がわかっている。空を飛べるわけでもない、拳銃の弾を避けられるわけでもない、掌から特殊な糸が出るわけでもない、でも!それでもヒーローになりたい!
これ以上ない等身大のヒーロー像に共感出来たし、ベン・スティラーを始めとする役者陣はそれぞれ芸達者だし、小道具や小ネタも笑えたし、『ミステリー・メン』、個人的にはすごく面白かったです。
脚本もよく練れていると思いました。
最終的に仲間は七人にまで増えるんですけど、その七人にそれぞれちゃんと見せ場があるんですよ。
伏線もそれなりにきちんと回収してるし、感心しました。
それに(驚くべきことに?)泣かせるシーンまであります。
最終決戦を前に愛する人に別れを告げに行こうということになって、ブルー・ラジャが(それまで息子の行動を訝しんでいた)母親に初めて正体を明かすんです。
「お母さん、あなたの息子はヒーローなんです。特技はフォーク投げです」
いきなりそんなこといわれたら、普通の母親だったら「お前、頭は大丈夫かい?」とでもいいそうなものじゃないですか。
でもブルー・ラジャのママンはこういうんですよ。
「(持っていく)フォークは足りてるかい?」
その一言で見てるこっちは思わず泣きそうになりました。
さらにママンは息子を誇らしげに見ながらこう続けます。
「お前にもきっと何か一つ、得意なことがあるはずだって私はずっとそう信じていたよ」
そういって家宝である銀のフォークをブルー・ラジャに差し出すんですよ。(そしてそのフォークはちゃんと後々敵を倒すのに役に立ちます。)
泣きました。
えぇ、泣きましたとも。たかだかヒーローものなのにジーンときました。今でもそのシーンを思い出すだけで泣きそうになるくらいです。名シーンだと思います。
ただこの作品、本国アメリカでは大コケし、日本ではビデオ・スルー(劇場未公開)の憂き目に合ってるんですよね。おかげでまったく宣伝をされてないせいで、入荷しているレンタルビデオ屋もごくわずかです。
もしあなたの行きつけのレンタルビデオ屋のヒーローものやSF作品が置いてある棚にこのタイトルを見かけたら、試しに借りてみてください。
クスッと笑えて、ジーンと感動できて、スカッと爽快な気分になれる、『ミステリー・メン』はそんな作品です。