この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

このミステリーがすごい!2006年版。

2005-12-11 23:26:08 | 読書
宝島社刊『このミステリーがすごい!』2006年版、伊坂幸太郎著『砂漠』、三谷幸喜著『冷や汗の向こう側』、購入。

毎年『このミステリーがすごい!』2006年版が発売されると、いよいよ年も押し迫ってきたのだなぁと思います。
『このミステリーがすごい!』、通称『このミス』はその年に発売されたミステリー、及びエンターティメント小説の総括、いってみればガイド本です。
『このミス』を買うようになってからもう随分なるのですが、買うたびに思うこと、それはミステリー小説は貧乏人の読むものじゃないなぁってことです。
だって国内編のベスト20までの中で本体価格が¥1000以下のものって一冊しかないんだもんな。
いわゆるライトノベルが売れて、ミステリー小説が売れなくなって久しいけれど、それも道理。だってミステリー小説高すぎるよ。
それなのにそれほど読後得られるカタルシスに違いはないしね。
出版界の人にももう少しどうにか考えて欲しいものです。
必ずしもハードカバーの存在が悪いってわけじゃないけど、もっと気軽に読める、つまりは本体価格が¥1000以下の新書や書き下ろし文庫にも力を入れて欲しいと思います。(以前どこかの出版社が実験的に試みた400円文庫みたいなあまりに中身がなさ過ぎるのも駄目。)

さて、『このミス』の国内編、海外編ともベスト20で既読だったのはそれぞれ一冊ずつしかなかった。
国内編が伊坂幸太郎著の『死神の精度』、海外編がジェフリー・ディヴァー著の『獣たちの庭園』の計二冊。
『死神の精度』は贔屓の作家である伊坂幸太郎の新刊ということで迷わず購入したんだけど、正直なところ出来はイマイチ。
といってまだ見限ってはいないけどね。今日も『砂漠』を買ったぐらいだし。
『獣たちの庭園』は売れっ子作家ディーヴァーの新刊が文庫で読めるということで購入。こういうところを国産ミステリーにも見習って欲しい。出来の方はというと、決して好みの作品ではなかったけれど著者渾身の力作ということはよくわかった。

『このミス』をざっと目を通して、購入意欲をそそられたのは東野圭吾の『容疑者Xの献身』ぐらい。ボーナスが出たら買ってみよう。(出なければ買わない。涙。)
あと石持浅海の『扉は閉ざされたまま』という作品もノベルズで出版されているから、読んでもいいかなという気になった。

最後に今年読んだミステリー小説で『このミス』の国内編、ランク外だった作品を一作だけ紹介。
それは何かというと辻村深月著の『子供たちは夜と遊ぶ』。
ん~、確かにミステリーとしては特別目新しい新機軸みたいなものはなかったけど、でもとても丁寧に書かれた作品という印象を受けたけどなぁ。この作品がランク外だなんて選者のセンスを疑ってしまう。
とはいっても前作の『冷たい校舎の時は止まる』に比べるとどうしても劣るかなって気はするけどね。あれは今までに聞いたこともないような設定のミステリーだったから。そういったものを期待したのかなぁ?
ともかく、辻村深月はこれからも個人的に勝手に応援していきたいと思います。
コメント (6)
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