この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

トリツカレ男。

2007-01-09 22:30:51 | 読書
 いしいしんじ著、『トリツカレ男』、読了。

 『邪魅の雫』を読み終わるのに三ヶ月以上も要したというのに、『トリツカレ男』は先週末にぱぱっと読んでしまいました。
 この他、『夜市』と『独白するユニバーサル横メルカトル』も表題作だけは読んじゃいました。
 『邪魅の雫』で三ヶ月も掛かったので、てっきり自分は本を読むのが遅くなっちゃったのかなと思っていたのですが、そうでもないみたいです。

 さて『トリツカレ男』ですが、これはよいと思います。
 大人から子供までが楽しめる、とてもよく出来たファンタジー調のラブストーリーではないでしょうか。
 この作品を読んだ人のほとんどは読んでいる最中にこにこと自然と笑みが浮かび、読み終わった後はきっとほんわかと心が温かくなったことでしょう。
 けれど自分は、、、素直に読めませんでした。
 何といってもトリツカレ男であるジュゼッペが自分には恵まれすぎているように思えるのです。
 オペラに取り付かれたジュゼッペがそのせいで仕事にならないと、レストランの主人はためいきをつきつつも、ジュゼッペに、しばらく休みをやるよ、その癖がなおったら店にでてきな、っていうんですよね。
 ねぇよ、そんな仕事場!!って突っ込んじゃいました(ファンタジー系統の作品にそーゆー突っ込みするなよ!!)。
 こんな突っ込みをするようでは本当に自分の心根って腐ってるな~って思っちゃいました。涙。
 『トリツカレ男』、フツーの人がフツーに読めば、フツーに感動できると思います。
 繰り返し読むことも、長く愛読することも出来るでしょう。
 素直に感動できない自分が無性に悲しいです・・・。
コメント
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