この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

春季限定いちごタルト事件。

2007-01-12 23:58:26 | 読書
 米澤穂信著、『春季限定いちごタルト事件』、読了。

 名探偵であり続けることも何かと大変なんだなぁと思いました。
 主人公の小鳩常悟朗が、頭が切れるがゆえに人間関係で苦労するのはまるで自分のことのように思えました(どの口でそーゆーことを言う!!)。
 ま、冗談はさておいて。
 本書は文庫書き下ろしなんですよね。
 しかも税込み¥609。
 ちょっとした話題のミステリなら¥2000前後する昨今、これだけで無条件で支持したくなっちゃいます。
 もちろん価格がお手軽ってだけじゃなくて、中身もきちんと読んで面白いものに仕上がってます。
 名探偵であることを放棄して小市民になることを決意した主人公と、別の理由で同じく小市民たらんとするヒロイン。
 ありがちではなく、それでいてちゃんと説得力がある人物設定だと思います。
 人物に存在感があって、魅力的ってことですね。
 互いが互いを必要とする間柄でありながら、なおかつ男女間で恋愛関係に陥らない、恋愛感情が発生しないというのは何となく不自然なような気もしますが、そういった、あぁもう、くっついちゃえばいいのに!というもどかしさも本書の魅力の一つかもしれません。
 シリーズものなのでしばらく二人のことを温かく見守っていきたいと思います(ってお前はこの道二十年のベテラン仲人さんか!)。
コメント (2)
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