米澤穂信著、『夏期限定トロピカルパフェ事件』、読了。
『春期限定いちごタルト事件』、待望の続編。
前作と違い、完全な文庫書き下ろしというわけではないけれど、それでも六章のうち四章が書き下ろしなんだから、やっぱりお買い得感は非常に高いです。
名探偵としての資質を持つ人物が実は学校の成績は中の下というのは読んでてプッと笑えました。
これは名探偵は学歴ばかりの頭でっかちではなりえない、という作者なりのメッセージだというのは穿った見方ですかね。
穿ってますね。笑。
それはともかく、名探偵としての資質を放棄してあえて小市民にならんとする主人公とともに同じく小市民を目指す狼の如き性格のヒロインがいるわけですが、彼女の苛烈な性格を受け入れられるかどうかが本作を支持できるかどうかの基準ではないでしょうか。
本作は本格ミステリーとしての完成度だけでいえば非常に高いものがありますが、ただし、読後感は決してよいものではありません。
それはひとえにヒロインの性格の苛烈さに起因するように思えました。
彼女の苛烈さは東野圭吾の『白夜行』のヒロイン、雪穂に通じるものがあると感じました。
ただし、『白夜行』に救いがまったくなかったのに比べ、本作では名探偵である(本作の時点では探偵であることを放棄していますが)主人公がいるので、ある意味安心して読めます。
本作自体の読後感は悪くとも、続編ではそれが払拭されるであろうという、予感めいたものがあるのです。
それを期待してさらなる続編を待ちたいと思います。
『春期限定いちごタルト事件』、待望の続編。
前作と違い、完全な文庫書き下ろしというわけではないけれど、それでも六章のうち四章が書き下ろしなんだから、やっぱりお買い得感は非常に高いです。
名探偵としての資質を持つ人物が実は学校の成績は中の下というのは読んでてプッと笑えました。
これは名探偵は学歴ばかりの頭でっかちではなりえない、という作者なりのメッセージだというのは穿った見方ですかね。
穿ってますね。笑。
それはともかく、名探偵としての資質を放棄してあえて小市民にならんとする主人公とともに同じく小市民を目指す狼の如き性格のヒロインがいるわけですが、彼女の苛烈な性格を受け入れられるかどうかが本作を支持できるかどうかの基準ではないでしょうか。
本作は本格ミステリーとしての完成度だけでいえば非常に高いものがありますが、ただし、読後感は決してよいものではありません。
それはひとえにヒロインの性格の苛烈さに起因するように思えました。
彼女の苛烈さは東野圭吾の『白夜行』のヒロイン、雪穂に通じるものがあると感じました。
ただし、『白夜行』に救いがまったくなかったのに比べ、本作では名探偵である(本作の時点では探偵であることを放棄していますが)主人公がいるので、ある意味安心して読めます。
本作自体の読後感は悪くとも、続編ではそれが払拭されるであろうという、予感めいたものがあるのです。
それを期待してさらなる続編を待ちたいと思います。