この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ライラの冒険 黄金の羅針盤。

2008-03-02 20:34:58 | 新作映画
 フィリップ・プルマン原作、クリス・ワイツ監督、ダコタ・ブルー・リチャーズ主演、
『ライラの冒険 黄金の羅針盤』、3/1、Tジョイ久留米にて鑑賞。2008年9本目。

 優れたファンタジー映画の作り手は夢想家であると同時にリアリストでなければならない、というのが自論です。
 例えば『ロード・オブ・ザ・リング』を送り出したピーター・ジャクソン。彼はシリーズ三部作を一度に撮影するという離れ業をやってのけました。何故彼が三部作を一度に撮影したのか?それはその方が製作費が安く済むという事情もあったのでしょうが、それよりもむしろ撮影期間を置くことによる違和感をなくしたかったのでは、そう思います。
 撮影期間を置いたことで違和感のあるシリーズものといえば、これはもう言わずと知れた『ハリー・ポッター』シリーズでしょう。
 シリーズ最新作の製作が決まるたびにファンの間で一番話題になるのは果たしてダニエル・ラドクリフがハリー・ポッターを演じるかどうか、だと思います。ダニエル・ラドクリフがハリー・ポッターのイメージに定着してしまい、彼以外にハリー・ポッター役の俳優など思いつかないというコアなファンの人もたぶんわかってはいるのでしょう、完全に見た目が青年になってしまったダニエル・ラドクリフがハリー・ポッターを演じるということにすでに無理がある、ということを。
 それは作り手も同様であると思います。ただ、そのことを認めたくなくて、目をそらしているだけのことなのでしょう。
 さて、『ライラの冒険』ですが、宣伝では各国で大ヒット!などと打たれてますが、実際にはアメリカでは興行的に不振で、続編が製作されるか否かは日本での興行如何だそうです。
 ともかく、三部作でありながら第一作が先行して製作された、ということです。
 この一点において、映画『ライラの冒険』シリーズは原作の出来、そして第一作の出来はさておいて、シリーズものとしてはすでに失敗しているといわざるをえません。
 第二作が製作されることになったとして、それは何年後のことでしょうか?第三作は?
 原作は未読ですが、原作での時間の流れは第一部から第二部、第二部から第三部までに何年ぐらいなのでしょうか?
 まさか映画製作の間隔に合わせて原作の時間も流れているとは思えません。
 映画の第三作が製作されることになった暁にはおそらくはファンの中でダコタ・ブルー・リチャーズがライラを演じるかどうかで議論されることでしょう。

 まぁシリーズものであることは忘れて、『ライラの冒険 黄金の羅針盤』単独で評価するとなると、悪くはない、といったところでしょうか。
 ライラがファンタジーもののヒロインとは思えぬ、口八丁手八丁を駆使するところなどは思いますが、それだけ、、、かな。
 ファンタジーであれば世界観の構築は不可欠だと思うのですが、主人公たちが赴く先こそ特長があれ、それ以外の場所がもう一つイメージできないんですよねぇ。
 原作は傑作ファンタジーと聞くので、原作はそうではないのでしょうけれど。
 そんなこんなで星は★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (2)
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