この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ジャンパー。

2008-03-10 21:00:24 | 新作映画
 ダグ・リーマン監督、ヘイデン・クリステンセン主演、『ジャンパー』、3/1、Tジョイ久留米にて鑑賞。2008年12本目。

 自分はマット・ディモン主演のスパイアクション、ジェイソン・ボーンシリーズが好きです。どれぐらい好きかっていうと発売されたばかりの『ボーン・アルティメイタム』のDVDを購入するぐらいに。
 これまで購入したDVDは七枚ありますが、そのどれもがいわゆる廉価版でした。プレミアム・エディションは無論のこと、通常版も自分には贅沢!みたいに考えてました。
 でもねー、やっぱり『ボーン・アルティメイタム』は手元に置いておきたいんですよ。エイヤッ!とばかりに思い切って買っちゃいました。もちろん後悔なんてしていません。
 なのですが。
 じゃあジェイソン・ボーンシリーズ三部作をすべて同じように評価しているかというとそんなこともなく、『ボーン・スプレマシー』と『ボーン・アルティメイタム』が100点だとすると第一作である『ボーン・アイデンティティー』はいいとこ65点ぐらい・・・。
 いうまでもなく、第一作の監督はダグ・リーマン、続く第二作、第三作がポール・グリーングラスです。
 結局何がいいたいかというと自分は映画監督としてのダグ・リーマンの手腕を高く評価してはいない、ということですね。

 『ジャンパー』は瞬間移動能力者を主人公にした一種のヒーローものです。主人公自身、自分たちをアメコミのヒーローに例える台詞を吐くぐらいですから。
 ヒーローは無敵でなければならないというのが自論です。
 しかし同時に何かしら弱点も有していなければならない、と自分は考えます。この場合弱点というのは精神的な弱さ、といいかえてもいいですが。
 例えばスーパーマンは地球で最強の男ですが、同時に地球で一番孤独な男でした。またスパイダーマンは自分に与えられた力のことで常に思い悩んでいました。ヘルボーイは自分のルックスが悩みの種でした。
 とにかく魅力的なスーパーヒーローというものは魅力的であると同時に情けないぐらい弱い存在でもあらねばならない、そう思います。
 一方『ジャンパー』の主人公であるディヴィッドはこれといって悩みがありません。自らの力を自らの欲望を満たすためだけに使います。
 序盤、テレビ画面に洪水に家ごと流される人々が映し出されるシーンがあります。画面を一瞥するディヴィッド。自分は当然この後ディヴィッドがその人々を救うために行動を起こすものと思いました。窮地に陥っている人がいたら助けたいと思うのが普通の人間の心理というものですし、彼にはそれを可能にする力があるのですから。
 しかし何と彼は一瞥しただけでそのままどこか夜の街に遊びにいっちゃうのです。
 すごい!!すごすぎる!!こんな感情移入できないヒーロー、初めて見た!!
 彼のこのスタンスは最後の最後まで貫き通されます。
 もうねー、観ている最中主人公たちに敵対する組織の連中の方ばかり応援してましたよ。
 だって瞬間移動という何でもアリの能力を有する主人公たちに比べ、彼らときたらすっごいショボイ武器しか持ってないんだもん。笑。
 敵組織を応援したくなるヒーローものというのも初めて見たような気がします。

 今年の始め、映画は厳選して観ることにする!という目標を立てたのですが、いけませんね、こんなクソみたいな映画を観ているようでは。
 深く反省することに到る一作でした。笑。
 当然星は★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。

 次回鑑賞は佐賀のシアターシエマにて『ゾンビーノ』と『アフターウェディング』の二本の予定です。この二作はどちらも面白いと思います。そのはず。
コメント (6)
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