この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

神様のパズル。

2008-03-07 23:59:03 | 読書
 機本伸司著、『神様のパズル』、読了。

 個人的に京極夏彦の京極堂シリーズがその分厚さ、難解さにも関わらず、多くの人に支持されているのは、お話の面白さもさることながら、読後、知的レベルが一気に5ぐらいアップしたような感覚に浸れるからではないか、と思っています。
 まぁ実際に頭がよくなるわけでなく、頭がよくなったような気になるという、実も蓋もない言い方をすれば単なる錯覚なんですけどね。笑。
 でも例えそれが錯覚であったとしても、そんな錯覚を起こさせる小説なんてそうはないわけで、、、いや、過去には『ダヴィンチ・コード』や『神々の指紋』などいろいろありましたね、そういえば。汗。
 ともかく、機本伸司著の『神様のパズル』もそんな錯覚を起こさせる小説、いわば錯覚本の一冊です。
 ただ、この作品が一線を画するのは、これまでの錯覚本の多くが作品内で主に文系的な蘊蓄が語られていたのに比べ、完全に理系的なアプローチで作品が成り立っているという点です。
 これは、ある意味画期的といってよいのではないでしょうか。
 作中多くの物理、数学の専門用語が飛び交っているにも関わらず、きちんとエンターティメントとしての面白さも持ち合わせていて、そこら辺は感心しました。
 ただ、あれだけのことをやらかした(宇宙を崩壊?消滅?させようとした)ヒロインが、結局何の罪も問われないというのは、ハッピーエンド大好き人間である自分にも些か無理があるのでは、と思えましたけどね。
 無理がある、といえば本作はあの角川春樹の手によって映画化され、しかも監督が三池崇史だそうで、、、個人的にこの二人で本作を映画化するのは宇宙を創造するのと同じぐらい難しいのでは、って思います。
コメント
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