この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ハンコック。

2008-08-23 02:36:19 | 新作映画
 ウィル・スミス主演、『ハンコック』、8/23、Tジョイ久留米にて鑑賞。2008年37本目。

 う~ん、期待してたんだけどなぁ、『ハンコック』。正直自分にはイマイチ面白くありませんでした。
 スーパーヒーローがアルコール中毒でホームレス、という基本設定はすごく面白いと思います。そのヒーローが犯罪を取り締まったり、救助活動をしようとして甚大な二次被害を与えてしまい、そのため人々に忌み嫌われてしまう、っていう展開も面白い。
 その彼が初めてまともに悪人を逮捕して、警官から感謝されるシーンなんて観ているこちらもジーンとしましたよ。

 でもねぇ、彼のかつてのパートナーが出てきてからの展開がどうもよろしくない。
 パートナーの口から、自分とハンコックの付き合いは三千年前から(!)、昔は自分たちのような存在はたくさんいた(今は二人だけ)、八十年前ハンコックが記憶喪失となったので自分は彼の前から姿を消した、といったようなことが語られるのですが、これらの言葉がまるでリアリティがない、、、というか辻褄が合わないんですよねぇ。
 例えば彼らのような存在が他にも多くいたのであれば、なぜ彼らは滅んだのか(全員が全員色恋ボケで死んだとも思えない)とか、ハンコックはどうして記憶喪失になったのかとか(ハンコックが記憶喪失になるほどの衝撃って何?)、観ていて次から次へと疑問が湧いてきました。

 おそらくですが、この脚本を書いた人は、スーパーヒーローがアルコール中毒でホームレスという設定を思いついたとき、イケる!って思ったんでしょうね。でもそこから先、話をふくらませることが出来なかった。だからパートナーと一緒にいるとヒーローとしての力が失われてしまう、というような無理矢理な設定を追加したのではないでしょうか。

 映画『ハンコック』はヒーローものでありながら、(悪人はいても)ヒーローと対等の悪役は出てきません。それもまた『ハンコック』がつまらない理由の一つですね。
 やっぱりヒーローは悪役が魅力的でナンボということを再確認しました(だからこそジョーカーという尋常でない悪役の出てくる『ダーク・ナイト』は尋常じゃなく面白い)。

 お気に入り度は★★☆、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)といったところです。
コメント (8)
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