この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

「みぎ」と「ひだり」、漢字で書けますか?

2016-07-06 22:07:57 | 蘊蓄・雑学
 突然ですが今日は国語の時間です。
 「みぎ」と「ひだり」、漢字で書けますか?
 ここで「書けません」と答えたあなた、回れみぎして素直に小学校からやり直してください。
 別にとんちクイズじゃないのです。答えは「みぎ」が「右」で、「ひだり」が「左」です。
 では次の問題。
 漢字の「右」と「左」、正しく書けますか?
 この場合の「正しく」というのは「正しい書き順で」という意味ですが、これは結構間違える人、いるんじゃないかな。
 間違える人がいるというのはつまり、「右」と「左」では最初の書き出しが違うってことですね。似たような形の漢字なのに不思議と言えば不思議ですね。
 なぜ書き出しが違うのかというとそれはそもそも成り立ちが違うからなんです(詳しくはこちら)。
 ある程度漢字に詳しい人であれば、漢字の「右」と「左」、正しい書き順で書けて当たり前というかもしれませんね。それも小学校で習ったよっていうかも?
 けれど、その“正しい”書き順が定まったのが実は戦後であること、長い漢字の歴史から見ればごくごく最近のことだということは学校では習わなかったはずです。
 wikiによれば1958年(昭和33年)に文部省(当時)から筆順をできるだけ統一する目的をもって作成された「筆順指導の手びき」が示されて、以後日本に漢字を正しい筆順で書くという考えが広まりました。
 ただし手引きには、
>ここに取りあげなかった筆順についても、これを誤りとするものでもなく、また否定しようとするものでもない。
 とあります。
 つまり、「正しい書き順で」と言いましたが、正しい書き順などないんです(正確には誤った書き順がない)。
 もしテストで、漢字の書き順を問う問題が出題されたら、正しい答えは「正しい書き順はない」(どう書いても良い)ということになります。
 まぁテストでそんな答えを書いたとしても○はもらえないと思いますけどね。笑。

 先ほど漢字の「右」と「左」の書き出しが違うのは成り立ちが違うからだ、と書きました。
 これは言い換えれば、成り立ちを重視すれば書き出しもまた違ってくるということです。
 ですから、ろくに成り立ちも知らずに書き順だけ知っていても意味がないってことですね。
 まぁでも現代社会で一つ一つの漢字の成り立ちを知っている人がそういるとも思えません。
 なので書き出しや書き順はそれほど重視する必要はないのです。

 ちなみに、書き順を重視する人が、書き順通りに書けば漢字は綺麗に書けると主張することがありますが、これもまったくの嘘です。
 漢字の「右」と「石」、乱暴に言えば違いは上に突き出ているかどうかだけです。
 「石」を綺麗に書ける人が「石」の書き順で「右」を書いたって綺麗に書けるに決まっています。笑。

 書き順はさほど重視する必要はないと述べました。
 重要なのは綺麗に書くこと、この場合の「綺麗」というのは単に形が美しいというだけでなく、他の人の目で見て、読み(取り)易いということです。
 この読み易さに比べれば、書き順なんていうのは本当にどうでもいいことです。
 逆に言えば、読み易い字を書く自信がない人は、正しい書き順で書くのも読み易い字を書くための一つの手かもしれませんね。

 あ、そうそう、こんなふうに漢字について薀蓄句を垂れたからといって、自分は字が上手いかというとそんなことは全然ありません。
 これからは正しい書き順で字を書こうかな…。笑。
コメント (2)
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