団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

新入社員と団塊の世代

2009-04-03 07:59:43 | Weblog
 日航の入社式のシーンをテレビでやっていたが、新入社員の女性にはゾッとした。同じマネキン人形が並んでいるようで、まさにどこを切っても金太郎飴のごとく、みんな同じ化粧、髪型、服装で、誰が誰やら区別がつかなった。
 それでいて、どっかの社長の新入社員への訓辞は、上司に気を遣うな、思ったことをやれ、といっている。よく言うわである。
 まず、新入社員の顔ぶれを見れば、そんな期待はできないことは分かりそうなものだ。迎合と右へ倣えの精神だ。もちろん外見などで判断はできないかもしれないが、たぶん考え方もみんな似たようなものだろう。
 まあ、いいか悪いかは別にして、企業が求める人材というものがあって、それを想定して型にはめていくのが就職活動だ。
 先日、ちょうど60歳になった仲間2人と飲んだ。こちらはSOHOでずっとやってきたが、相手は一流企業に勤めていた人間だ。ひとりはリタイア、もうひとりは関係の団体に拾われた。 
 一致した意見は、いいようにやられたなあ、である。会社あるいは企業社会にである。ひとりはこれからリベンジをするという。物騒な話だが、まあ、法律には触れない程度のビジネスで見返そう、ということらしい。
 彼らがいうのには、団塊の世代がもてはやされたのは50歳まで。50からは会社の待遇ががらり変わり、成果主義、子会社への移籍、役職定年、肩叩き、とその処遇はめまぐるしく変わった。
 同期が多くポストが少なくなって、居場所もなくなってきているのは分かるが、彼らを雇って会社を大きくしてきたのも事実だ。
 たしかにそんな先の見通しができるわけでもないが、それでも雇った責任というものがあろう。入社時はほとんどの人間が終身雇用を信じていた。安心して人生を会社とともに歩む気持ちだった。それを裏切ってきたのが会社だ。
 会社といっても、所詮は経営者のことだ。我々より上の世代の彼らが、どれだけ経済の環境変化に振り回されてきたかは理解できる。しかし結局は、数字と経営者としての体裁しか考えず、アメリカンスタンダードの信奉者になってしまった。
 そのつけが昨年の金融危機だった。どういう変化があろうと、日本型スタンダードを作り、その中でその企業の風土をしっかりと根付かせている経営者のなんと少ないことか。
 政治も悪いが、数字しかみない経営者も日本を悪くした元凶だ。せめて我々の世代で経営者になった人は、自らが歩んできた道を振り返り、会社を去った同期の人間がなにを思い、なにが本当に必要だったのかを考えほしい。そうした企業が増えることで、日本はまたきっと良くなると思う。

 カメラ・写真、フォトギャラリーの動向に興味のある方は「Web写真人」をご覧ください。また拙著「団塊の世代の世間話」の案内ページにもアクセスできます。「Web写真人」(http://shashingin.web.infoseek.co.jp)で検索できます。アクセスをお願い申し上げます。首都圏のフォトサロン/ギャラリー一覧を掲載。http://www.blogmura.com/ にほんブログ村