今週発売の「週刊新潮」に、朝日新聞阪神支局の襲撃犯の告白はガセだった、というお詫び記事ならぬ弁解記事が載った。
世紀の大スクープといったような鳴り物入りの記事だったが、見事に騙されたわけだ。当の朝日新聞、ライバルの文芸春秋が仲良く反論を繰り返し、とうとう新潮に白旗を揚げさせた。
たぶん新潮側は、大スクープだから増し刷り、売り切れを予想していたようだが、意外に売れなかったらしい。事件が古いことと、告白やら手記というのはあまり信用できない、という経験を読者が知っている。
これでもか、と第何弾までも打ち続けて、結局は売上げアップにはつながらなかった。私は結局、1冊も買ってはいない。カフェでパラパラとめくった程度だった。
かつて、三浦和義の疑惑の銃弾シリーズで、週刊文春は見事に当てた。また文芸春秋誌の田中金脈でもスクープとなった。そんな夢を週刊新潮の編集長は見たのだろう。
それにしても、島村某という方は、たっぷりと礼金をもらったろう。新潮がそこまで信じたのだから、内容は信憑性があり、たぶん実行犯に近い筋から聞いたのではないか。金になる、と踏んで売り込んだか。
問題はそれを受けた新潮側の姿勢にある。裏付けがないまま掲載した、ということで批判を浴びているが、たぶん裏付けがとれるような話ではなく、関係者も亡くなっているケースも多い。それなら相手にしなければいいのだが、雑誌メディアの凋落があり、焦りも手伝って食いついてしまったというわけだ。たぶんこういう失敗は、内部事情が大きく作用するようだ。
ひとつのメディアが大スクープをしたところで、すぐにどこかが追随し検証し、スクープの温度はすぐに冷めてしまう。ひとつのメディアがリードする時代ではなく、メディアが競合しつつ補完する時代に入っている。
テレビやインターネットによって瞬時にニュースは広がる。そのあとで新聞がより詳しくフォローし、さらに週刊誌や月刊誌が違った角度から事件の解明を試みる。それをまたテレビやネットが扱い、事件が多面的に語られ洗練され歴史的な位置付けが明確になっていく。
そんな時代にメディアは呼吸している。ただ関係者の思いは、その最初の一石を投じたいのだ。その一石が波紋を作り、なにごとかを変えるきっかけになる。それが記者や編集者の夢でもあるのだが…。
カメラ・写真、フォトギャラリーの動向に興味のある方は「Web写真人」をご覧ください。また拙著「団塊の世代の世間話」の案内ページにもアクセスできます。「Web写真人」(http://shashingin.web.infoseek.co.jp)で検索できます。アクセスをお願い申し上げます。首都圏のフォトサロン/ギャラリー一覧を掲載。http://www.blogmura.com/ にほんブログ村
世紀の大スクープといったような鳴り物入りの記事だったが、見事に騙されたわけだ。当の朝日新聞、ライバルの文芸春秋が仲良く反論を繰り返し、とうとう新潮に白旗を揚げさせた。
たぶん新潮側は、大スクープだから増し刷り、売り切れを予想していたようだが、意外に売れなかったらしい。事件が古いことと、告白やら手記というのはあまり信用できない、という経験を読者が知っている。
これでもか、と第何弾までも打ち続けて、結局は売上げアップにはつながらなかった。私は結局、1冊も買ってはいない。カフェでパラパラとめくった程度だった。
かつて、三浦和義の疑惑の銃弾シリーズで、週刊文春は見事に当てた。また文芸春秋誌の田中金脈でもスクープとなった。そんな夢を週刊新潮の編集長は見たのだろう。
それにしても、島村某という方は、たっぷりと礼金をもらったろう。新潮がそこまで信じたのだから、内容は信憑性があり、たぶん実行犯に近い筋から聞いたのではないか。金になる、と踏んで売り込んだか。
問題はそれを受けた新潮側の姿勢にある。裏付けがないまま掲載した、ということで批判を浴びているが、たぶん裏付けがとれるような話ではなく、関係者も亡くなっているケースも多い。それなら相手にしなければいいのだが、雑誌メディアの凋落があり、焦りも手伝って食いついてしまったというわけだ。たぶんこういう失敗は、内部事情が大きく作用するようだ。
ひとつのメディアが大スクープをしたところで、すぐにどこかが追随し検証し、スクープの温度はすぐに冷めてしまう。ひとつのメディアがリードする時代ではなく、メディアが競合しつつ補完する時代に入っている。
テレビやインターネットによって瞬時にニュースは広がる。そのあとで新聞がより詳しくフォローし、さらに週刊誌や月刊誌が違った角度から事件の解明を試みる。それをまたテレビやネットが扱い、事件が多面的に語られ洗練され歴史的な位置付けが明確になっていく。
そんな時代にメディアは呼吸している。ただ関係者の思いは、その最初の一石を投じたいのだ。その一石が波紋を作り、なにごとかを変えるきっかけになる。それが記者や編集者の夢でもあるのだが…。
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