夫婦で楽しむナチュラル スロー ライフ

日々の生活、男の料理、庭仕事、気になった事など気ままに綴っています。

松籟(しょうらい)の音を聞く

2025年03月10日 | 面白い話
薪ストーブに鉄瓶をかけて、蓋を少しずらしておくと
煮えたぎった湯が松の木の梢を吹き抜ける音(松籟)に
聞こえる。目を瞑って耳をすませば確かに松風の音です。

昔(60年ほど前)週一度、会社帰りに茶道の先生の
お宅に寄り、茶道をほんの少し習ったことがある。
静かな中で、茶釜から沸る音だけが聞こえる中、茶を点てた。
「この音は『松籟』と言うのよ。松の梢を
 吹き渡る風の音に聞こえるでしょ」と先生が教えてくれた。

小さい頃、勉強嫌いの私は学校から帰ると野山を駆け回って
遊んだ。その頃は松林がたくさんありました。寝転がって
松の梢を渡る風の音をよく聞いたものです。
鉄瓶で沸る音は確かに松風の聞こえる。
都会の人は松林を吹き渡る風の音など分からないでしょう。
鉄瓶の沸る音を聞くと何となく心落ち着く。

松籟という言葉をネット検索してみたら松籟の他に松濤
いう文字も出ていた。

今日は戦争でアメリカ軍の空爆を受けた東京大空襲
80年を迎えた。
「あの爆弾(焼夷弾)は凄かった。西の空(東京)が
 真っ赤に燃えて、この辺(千葉県)から新聞が
 読めるくらい明るかった」と生前母が言っていた。
新聞が読めるくらいというのはオーバーかもしれないが
それほどたくさんの爆弾を落として東京下町を焼き尽くした。
「渋谷の叔父さんの家は松濤町に近かったので
 助かった。松濤町はお屋敷が多かったので
 米軍は戦争が終わったらお屋敷街を接収して
 米軍将校を住まわせるつもりだったみたい。
 だから松濤町には爆弾を落とさなかった
 アメリカはよく調べていたんだよね」と90半ばの
姉が言っていた。

戦後、渋谷の叔父さんの家に遊びに行った覚えがある。
砂利道の道玄坂を登ると一面に広がるネギ畑があり
叔父さんの家がありました。今は何処に叔父さんの家が
あったのか全く分からないほど、ビル群になっている。
松籟と松濤の話でした。
コメント
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