きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

羽田からの脱出~空港島を抜け横浜を目指す

2012-11-12 20:00:00 | 遠くへ~少しだけ非日常
日常からの脱出です、ってか気分は。

これもまた先日のこと。
羽田空港から走って都内に行けるのか?という疑問がわく。
ウェブで検索してみると、徒歩で何例かある。ただ割合古い記事が多い。読んだだけでは、よく分からないものも多い。特に走って出ましたというのが一つもない。あれだけ工事ばっかしている羽田だから、今現在はどうなんだろうかということも思った。
で、検証決定。

で、当日。
地図で空港ターミナルの位置と、道路の感じとを確認しながら、飛行機に乗っている最中も予習をしていた。ただ、どこでどんなトラブルがあるかはなかなか分からない。
空港を出て、とりあえずイメージした通りに「左手にターミナルを見ながら」出発(とんだ大間違い)。
東西南北は全く分からない。一応南に向かっているつもりだった。がしかし。

走る。

走る。

迷う。
警備員さんに「貨物にご用ですか」と尋ねられ、聞けばいいのに「走って羽田から都内に行こうと思っているんですけど」ということが言えず、ここの道は続いているんですか?
と尋ね、ここはでも行けてもとなりのターミナルまでですと言われる。ありがとうごさいましたとお礼を言うが、意味が分かっていない。
結局、違うなと判断して、引き返す。どうなることやらである。まあ、目的地はそんなに遠くないのでいいかとこの時は余裕である。ただこの20分のロスが後で響く。

ターミナルまで引き返し、リスタート。

でもまだ確信をもっているわけではない。どうしてこっちに行くのが正解なのかと腑に落ちないままに進む。

もう一回、立体交差のところを反対側に行こうとして、何となく違うなと止める。初めての人にはなかなか難しい道だ、というより儂が方向音痴なのか。

それでもやがて、ウェブで予習したとおりの風景が展開する。この道に間違いはない。分かれば何てことはない。トンネルに入る。「空港南」である。

途中で、空港方面に出勤と思われる方の自転車何台かとすれ違う。

モノレールが頭上を行く。

そうかここを通っていたのか。

川の側に出る。多摩川。川岸、対岸が見える。
国際線ターミナル。

船も利用できる、のか?

たぶん違うな。どんな時に使うのだろう。
この辺りから地元のおっちゃんが散歩しているのに出くわすようになる。

金網の向こう、段々と日常に近付く。
大きな鳥居。

大鳥居ってこれのことか。鳥居を抜けると、空港島脱出。というより脱出というのもどうかと思うぐらいあっさり抜けてしまった。最初の道間違いと写真取りながらなので時間はそこそこかかったが。
ここからは、川沿いを行く。

この辺記憶に間違いがなければ、学生の時に小型4級船舶の講習と受験をしに来たところだ。講習の時は雨が降っていて、視界が悪かったのと、この辺何もなくてお昼御飯も食べられるような食堂が一軒か二軒しかなかった。一緒に教習受けたのが二人だったか三人だったか。教習艇はあまりきれいじゃなかったが、始めてスロットルを開けると感動した(検定の時の試験艇は新しくてぴかびかで、似たような感覚でスロットルを開けると軽くて速かった)。教習してくれたヤマハの先生に同じもの頼んでと言われたのを何故か覚えている(早く出てくるかららしい)。
ちなみにせっかく取った免許も、一度だけジェットスキーに乗っただけで、もう既に失効してしまっている。

釣り船だろうか。釣り人も多い。平日やでーと心の中で思いながらなおも行く。


橋を渡る。都内の方を振り返って見たら、鳩が呑気そうに留まっていた。

あっけなかったねと笑っていた。気合い入れた割にはね。

さて、ここからはどうするか決めていない。まだ体力も時間も余裕はある。道路案内に誘われ川崎大師の前を通ることにする。高速道路の下、右折する。

何か変な建物があると思ったら、川崎大師の車の祈祷所だった。

その辺から、参道という表示に誘われるがままに路地を入る。

商店街を抜け、大きな建物の裏を通る。

駅に出る。どうやらその建物が川崎大師だったらしい。いつも年末年始で名前を聞く神社。
まあ裏だけで良いかとそのままコースを南に取る。
恐らく国道15号線に当たると思われる方角に向かう。ここからは本当にあてはない。実はあったが残り時間のことを考えると迷っていた。ギリギリかちと無理か。
コンビニを見つけ、思い出したように飲み物を買う。交差点に出る。右に行けば国道。国道というだけで何か物足りないものを感じ、左に曲がる。

コリアタウンがある。さらに右折し産業道路を南下することにする。ちと遠回りになったか。
目指すは横浜まで。時間的にちと苦しい。
JRの線路を越える。さっきまでとは少し趣の異なる工業地帯。

高架の下をひたすら走る。

川崎から鶴見に入る。地図は確認していない。というよりこの辺の地図は持ってきていない。そもそも事前にリサーチしたところ以外のとこばっかり走っている。着替えを入れたザックが重い。背負って走る時にしては早めのキロ6分半ぐらいで進む。もうちょっとごたごたした、人の息づかいを感じるところを走ればよかったかと思ったが、ここも想像以上に工場だけでなく普通に家がたくさんあった。道路沿いに学校もあった。

大黒という表示のところを右折。この辺生麦だったか。

残りどれぐらいかは見当が付かない。ここからは電車が近いから時間ギリギリまで走って、京急に乗るかと思いつつ15号線に入る。交通量は多いが、人も多い。思ったよりごちゃごちゃっとした感じがいいなと思いつつ進む。

横浜の手前、覚えのある名前の駅を過ぎ、ようやく景色を思い出す。横浜まで、といいながら、横浜駅に行くことまでは考えていなかった。もう充分。一本通りを奥に入り、そういえばと神社で一礼。これで、何とか目的を達した気分になった。気が済んだ。

駅のホームの端で、汗をかいたシャツをささっと脱ぐ。着替える。すぐに電車が来た。

川崎の駅について、ラーメン屋を横目に見ながらセミナーの会場へと急いだ。

会場に入ったのは2分前だったか。

丁度、3週間前のこと。