きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

鎌倉物語【前編】~天園越え

2012-11-14 20:00:00 | 遠くへ~少しだけ非日常
新逗子という名のその駅は、地方の小さな郊外の駅に雰囲気が似ていた。コインロッカーに荷物を預け、外に出る。市役所か、市民会館か大きな建物の中に小学生がたくさんいた。社会見学か何かか。黄色い傘も、鞄の側に置かれている。降ると予想されていた天気はまだ泣いてはいない。でも曇天の空は、雨とは別の重たい感じがある。
まず鎌倉を目指す。駅を出るところで案の定見当が付かなくなる。何となく目指す方へと足を踏み出す。地図は何度も復習したが、細かな史跡までは覚えていない。一々地図を取り出すのは面倒だしかも今日は雨の予報。ホテルで朝食を取っている時にはざんざか降っていてどうしようかと思っていた。今は止んでいる。道路には雨の跡。東京と同じだ。

最初の分岐。そうだな三浦半島ぐるりでもよかったな。金沢八景、なあと呑気に思う。線路の側を走る。線路の向こうは、交通量の多い道路。やがて踏切を越えその道路に合流する。坂道になる。
トンネルをくぐる。

最初に見つけたのが鎌倉ビールの店。

工場か事務所か出荷場かよく分からん。名前聞くだけで美味そうだが、高いだろうな。

途中、安国論寺という聞くだけで日蓮かとすぐ分かる案内板に誘われ、寺の前へ。

ついでに称名寺道に誘われ寺が見えるところへ。

中には入っていない。今日は寺社の数がハンパでないので、全部入る予定はない。
おおここも日蓮これはガイドブックになかったぞ。

鶴岡八幡宮の参道を北へ。

平日で人通りは少ないが修学旅行生が多い。

向こう側の道の方がお店がたくさんあるみたいだった。コンビニで水分を買う。
ウエストバッグが小さいのに、雨用の装備やら着替えやらでぱんぱんなので、ウエストベルトの内側に、刀のように差して進むことにする。
寺の前を左折する。

店に入る前よりずいぶん空が暗くなっている。少し進むと、雨が降ってくる。ビニール袋を被る。

源頼朝の墓という表示につられ、進む。前で確認のみ。ここも中には入らず。

そして小学校の側を通る小道を進む。

東御門を過ぎ、恐らく唯一の目的になるかもしれない天満宮に着く。

今回、ここが唯一入った寺社になる。鎌倉の寺はほとんどが拝観料を取る。全部入るととんでもない金額になる。しかも滞在はそんなにしない筈である。一人なのでああここにあったのかと分かればいい。そんな風に考えていた。
日本の三大天満宮は、京都の北野と九州の太宰府とここだったらしい。儂ずっと東京の湯島かと思っていた。だから、ここだけは何となく来たかったわけで。
お守りを買う。雨脚が強い。

隣の鎌倉宮へ。

後醍醐天皇の皇子、護良親王が奉られている。亡くなったのは20代らしい。若い。しんみりと南北朝に浸る。さっきまで結構降っていたが、この頃には雨が上がる。ここから山道へ。

そして、天園ハイキングコースへ。

目指す建長寺まで約5キロらしい。
フラットなところだけではない。結構な勾配、というより壁もある。

途中、いくつか分岐がある。金沢八景かあ。また誘われる。

ここは貝吹地蔵さんとのこと。

本当の山道なので、地図では確認できないところが多いが、観光ガイドなどで若干調べていたので、割合想定した範囲で進む。でも道は険しい。これでハイキングか。

結構高くまで上がっているのが分かる。

最初の休憩場所。天園休憩所。

でも観光ガイドは北鎌倉発のものが多いので、それらには二つめの、と記されている。チェーンが張ってあったが、平日のせいだろう。自販機も簡単な食事もできそうだった。奥でネコがえさをもらっていた。
この奥にジムニー二台。

さすが山道専用っていうより、どこから上がってきたのだろう。
見晴らしのいいところがあるらしい。上ってみる。

海が見えた。
絶景だ。頭の中で麗美の「空が一面海に見えた日」が聞こえる。
大学生の時クラスメートから、麗美のコンサート行けなくなったから二枚あるけど一枚分で良いからかって大丈夫誰か一緒に行く人見つかると思うからさねえお願い、とチケットを買わされ隣の席の空間を感じながらライブを聴いた。待っているけど来ないんだなとというような演技さえしつつ。だからか。儂にとってたぶんこの曲のイメージは、どんよりとした雲に強い風なんだろう。しばし見とれる。
風が強い。再び走る。

二つめの峠の茶屋はすぐそこだった。自販機がある。この辺が、鎌倉市と横浜市の境らしい。

横浜市最高地点を通過。直後に、ゴルフ場の傍を通る。

ジムニーはここを使っているのかもしれない。
やがて再び見晴らしが良いところに出る。

広々とした広場の先に壁のような道。岩が全面に立ちふさがり、え、ほんとにここ行くんか?という感じになる。

で、鎌倉市最高地点を通過。

再び山道。


こちらのお地蔵さんは詳細不明。

もうすぐかまだまだかよく分からない。

ようやく、建長寺の奥、半像坊の手前?に着く。

建長寺は鎌倉五山の一位ということもあり拝観料払って通ることに抵抗はなかったが、もう一本明月院に行く道があるらしい。

何だ建長寺通らなくてもいいのかとそちらに進むことにする。また山。

こちらの道もなかなかハードだ。あまり走れてないなというより走れないか。でも、すぐそばには住宅街が見える。山奥のようで山奥でない。人が近くに住んでいる。ちょっとだまし絵にかかった感じがする。道が狭く、草の丈もやや高い。
何となく進みつつ、桐慕茶屋へ到着。

すぐそこの看板から、すぐそこじゃなくて、そこそこあった。
もう住宅地の突端だった。坂を下りる。何かいわくがありそうな穴。詳細不明。

明月院前を通過。

後で確認すると北条時頼の墓所がすぐ近くだったようで。
で、北鎌倉の駅方面に向かう。途中、鎌倉四位の寺付近で再び雨に遭う。ビニール袋を被る。降りが強い。この横を進めば、次のステージだが、縁切寺を見ておきたいので、一旦バス通りに出る。降りが強くなる。思わず軒下を借りる。とりあえず、何屋さんだろうか雑貨屋さんみたいな店先の戸に貼ってある地図を見て、次のコースを確認する。確認しつつ、何となく次に進むのが遅くなっている。

縁切寺である東慶寺の前。ここかと確認する。縁切りのルールというのがすごい。近世までふつうに通用していたというのもすごい。だから見たかった。
雨が降っているなあ。

円覚寺の前。名前だけよく知っている。ここもここかと確認する。というより本殿見えてない。ハリボテで騙されても仕方がないくらいの流し方。でも別にどうということはない。
北鎌倉駅に一旦行き、雨は降っているが、水分は要るなとコーラを買う。コーラが暴発する。何となく笑う。半分ぐらい飲んで、刀のように差す。

さて次に行くかな。