きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

鎌倉物語【後編】~切通を経て湘南道

2012-11-15 20:00:00 | 遠くへ~少しだけ非日常
元来た道を戻り、鎌倉五山四位の寺へ。

この傍の道を通るのがいわゆる大仏コース。ガイドブックやウェブにも紹介されている。天園ほどに険しくはないらしい。

先ほどとはうってかわって雨。程なくして葛原岡神社到着。

広い。ちょっと予想外。いろいろイベントも行われているらしい。平日の雨で人はいない。
次は源氏山をパスして銭洗弁天の方へ。

ここ来たことあるようなないような、という感じ。
遠足か何かの小学生がたくさん来ていた。修学旅行と思われる中学生も。雨で大変だろうが、楽しそうだった。銭は洗っていない。見ただけ。
元来た道を戻り、山の中へ。

途中、景色がいいところに出る。
実はこの辺からルートを掌握し切れていない。結局、源氏山と化粧坂切通と葛原岡神社の位置関係が、案内板見てもピンとこなくて、結局切通は通らずじまい。佐助稲荷にも行きそくったかと思っていたら、山中に分岐点が出現。

ラッキーとそちらに向かう。

道なんてあるのかと思ったら、斜面の下、赤い鳥居が見えた。地図には載っていないこの道ダートなんてもんじゃなかった斜面を降りただけだった。走ることはとうに止めている。

社務所の方に何か話しかけられる。会釈で返す。上から来たのみたいな感じか。
足下に気をつけて斜面を登り元に戻る。

それでも、険しかったのはここだけ。天園よりフラットで、走る区間もそこそこあった。

遠足か何かの小学生の集団、ハイキングの観光客をすみませんと追い越す。天園ではあまり見かけなかったが。
「樹ガーデン」の表示を結構な山奥で見つける。この先50メートルということで、見てみるかとそちらに向かう。本当に50メートルぐらいだった。ただ、店は「closed」で、定休日なのか閉店なのか分からん。

入るつもりはないが、店やっているのとやっていないのとでは気分は違う。自分には関係ないにしても、である。

「大仏切通」の表示を見つける。ちょっと寄り道のつもりでそちらに向かう。切通は鎌倉の険しい山を切り開いて作られた道らしい。

まだかまだかと思っていたら、結構入ってしまっていた。引き返すのが面倒になり、そのまま先に進む。どうせあのまま行ってもすぐに大仏の方に着いてしまうはずだから、まあいいかと。
道は険しいが、すぐ下に車道が見える。まだもったいないと、次の道路標示で「火の下」というところに進むことにする。

この直後滑る。尻餅。ズボンがどろどろになる(この後電車で逗子に戻る予定だったのに、この白のズボンの色は計算してなかった・・・)。
広いが岩がごろごろしていて険しさを物語る道を通る。

この辺いかにも切通という感じだったが実際はどうなんだろう。

再びしばらく山を走り、今度こそという感じで道路に出る。バス停があるので、地図には載っているんだろうが、見当が付かない。とりあえず、バスの行き先表示を見ながら、道路沿いに進む。

トンネルが見える。予定のコースはここに出てくるんだなと、後で知る。もう途中から予定は予定でしかなくなっている。
交通量の多い道路に出たので、尻の泥を隠すべくジャージを腰に巻いて隠すことにする。
鎌倉大仏前、平日で雨が降っているが、観光客は多い。正式名は高徳院。

鎌倉の大仏さんは湘南の海を見たことがあるのだろうか、とふと思った。

長谷寺。昔学生の時に来た。水子地蔵さんがたくさんいたのを覚えている。長谷駅の横を通る。そういえば、という感じがする。
海が近くなったので一旦出てみる。

風が強い。サーファーが出ている。ちょっと寒い。
通りを一本中に入り、極楽寺に向かう道を走る。旧の街道みたいな趣。

ガイドブックで見た星の井。

澄んだ水の伝説の側にはゴミ捨て場がある。生活と史跡の同居とはこういうことだと納得する。住んでないのだからいいとも悪いとも云えん。
極楽寺坂。サザンの歌のフレーズがよぎる。

極楽寺。

今回の参考図書の一つ「すずちゃんの鎌倉さんぽ」に出ていた極楽寺のイラストそのままの風景があった。この漫画読んでみたいがなかなかお目にかかれない。

橋の上には、控えめな看板。

江ノ電を見届け、稲村ヶ崎へ。

道路と線路が同じ位置で平行して走っている。

高知のとでん(土佐電鉄)もそうだが、こちらの方は、家と線路がまた近い。家を出ると、道路ではなく電車の線路が通っているところもある。

十一人塚。ここでも南北朝。ここを過ぎるともうすぐ国道134。

稲村ヶ崎から七里ヶ浜へ。懐かしい響き。

単車で何度も来た道。授業が休講になり、天気が良くてじっとしているのはもったいない(こういう気になることはめったにないが)と言うとき、単車でここまで来た。「半日仕事」になるので、ちょくちょくという感じではなかったにせよ、よく来た方だと思う。金沢街道、鎌倉街道、中原街道、通るのはだいたい決まっていた。何をするでもなく、見て帰るだけ。今の走りとほとんど変わってないな。着いたらもうOK、だから。

低気圧が過ぎ去ろうとしていて、海がきらきらしている。もう雨は降らない。風は向かい風。ゆっくりゆっくり進む。ここにあったファミレスはなくなったか。ここのコンビニは・・・。店の跡を見つけるとあったような気になる。こんなにゆっくり眺めたことはないなあたりまえか。
鎌倉高校前から腰越に入る。

腰越から江ノ島へ。

時間は大丈夫。何とか着いたか。

江ノ島の入口でゴール。

上には行かない。予定を完了。
なんとはなしに「ゆれて湘南」が頭の中で聞こえる。古いな。
江ノ島の入口のトイレで、シャツだけ着替え、駅に向かう。

予定では駅から鎌倉に向かう筈だったが、何となく、もう少し走るかと藤沢へ向かう。別にここで麦酒呑んで慰労してもよかったんだがな充分。何でだろ。景色はともかく、藤沢まで行きたくなったということだろ。

藤沢までは、何のリサーチもしていないので、大通りの歩道を走る。そんなに距離はないはずだが、ばてばてになっている。
大きな街に出た。

JRの駅に無事に着く。JRがすぐに来る。大船という懐かしい響きの駅で乗り換え、逗子へ。麦酒をあおる余裕はない。代わりに、レッドブルを飲む。昼飯食ってなかったから。
北鎌倉も鎌倉ももう雨は上がっていた。終点の逗子駅を降りまた道に迷い、新逗子駅に着く。

コインロッカーで荷物をとり時刻表を確認すると、空港行きの電車が後5分で出発するところだった。麦酒を諦め、改札を入りトイレで泥だらけのズボンを履き替えてシャツを着ジャケットを羽織る。
電車に乗る。

日常が再び動き始める。