先日のBSでたまたま放送していた「色は時から生まれる」(再放送・NHK)、色について興味深いことを教えてもらったのでアップしておきます。
「四十八茶百鼠」という言葉はよくご存じだとおもいます。
江戸時代、奢侈禁止令が出て、着るものの色や素材を限定、素材は「木綿」や「麻」。色は「茶」や鼠」「藍」などに限って許るされたというものです。
禁止令に対抗して、「では茶色や鼠色にいろんなバリエーションを作ろう」と江戸の人たちが、考えた末できたのが「四十八茶~~」です。
この数字は「多い」という意味で実際の色は茶は六十二色、鼠に至って百三十くらいあったそうです。
茶色や鼠色、事典やネット(日本の伝統色)などで色を紹介しているのですが、どれも地味なんですね。
そんなものだと思っていたら、この番組では実際の色を再現。
実にきれいな色なんです。
再現した四十八茶。
下は百鼠。
キレイ色を禁止されても、「いや、これは茶色、鼠だ」と言い張りながら、とてもきれいな色を身につけていたようです。
この茶色や鼠色という「名前」だけ伝わり、江戸の人たちの地味好みと言われるようになったようですが、実際はちと違うようです。
もちろん、すべての色に茶や鼠を混ぜているので、一色より鮮やかさは薄れますが、そのほうが色に深みが出てきれい、です。
平安時代の色も実際はとても鮮やか。
後世の人が目にするのは、鮮やかさが薄れたもの。
いま、どんどん当時の色が再現されていますね。
で、平安時代の重ねの色目を、女優の工藤夕貴さんが、染め師吉岡幸雄さんの指導のもとに再現。
これは春の桜の色目です。
やはりとても鮮やかです。
重ねの色目には、初夏は杜若をイメージした紫、夏は水をイメージ、秋は紅葉とありますが、
持っているきものを生かして現代でも、もっともっと、色の「見立て」遊びをすればいいのに、したいなあ、と思いました。
これって洋服にも使えますよね。
番組では、江戸時代の浮世絵のきものや帯を再現。
左の浮世絵の芭蕉の葉の帯を再現した帯。
タダでこんないい番組見られたなんて、得した気分です。
日本人の知恵と色彩感覚の素晴らしさを再認識させてくれた素晴らしい番組でした。
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