閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

命を削る鉋

2016-03-26 06:48:05 | 閃き
会社の後輩に原因不明の体調不良を訴えている者がいた

朝目覚めると微熱があり、強い倦怠感によって気力が削がれ、会社に出勤出来ない状態が続いた

彼は独身である

当然、死活問題に発展して行くのだが、病院で検査しても原因も判らず病名すらハッキリしなかった

こんな状態を会社は見ていられず、精神科に受診させる事を決め、年上の私にその役が回ってきた

本当に会社は色々と使ってくれる


精神科に受診する時に会社の人間と共に受診する為には本人の承諾が必要となるので、先ず本人と話をして精神科の受診と私の同席を承認させてから有名な精神科病院へ予約を入れた

本人と一緒に病院へ行き、予め相談してあったので本人と私を別々に問診した後、専門医の診察になる

診察は最初に本人だけが診察を受け、その後私が同席して3人で話をする

専門医が出した答えは、彼は精神病では無く、アルコール依存症の初期という診断であった


歳を重ね段々と家事が億劫になってくる

仕事から帰るとまず酒を呑む

すると眠くなるので寝る

夜中に目覚める

眠れないので又酒を呑む

朝、起きられない、だるい、仕事に行きたくない

これが医者の出した答えである


医者はまず、酒の量を減らす事を約束させた

これは個人の意思の問題である

会社は彼にやる気を持たせる為に新たな職務を用意した

以来、1ヵ月間、彼は見違える様に元気になり毎日出勤出来る様になった

そして再診を受けた結果、通院しなくてもよいと診断された


酒は「百薬の長」とも言われるが、酒を好まない方からすれば「命を削る鉋(かんな)」だとも言う

ストレスが問題になる昨今、ほんのちょっとしたきっかけで悪くも善くもなるものだ

酒は嗜む(たしなむ)もので、命を削るものではない


ドクターネイル

2016-03-25 07:28:14 | 閃き
以前何度かブログに書いたのだが、ここ数年爪が割れて困っていた

特に右手の親指と人差し指が酷い

親指はある長さになると縦に割れてくる

人差し指はある長さになると横に割れる

まるで形状記憶合金のような正確さである

その対策として厚めにコートマニキュアを塗っていたのだが、基本的な改善には繋がらなかった


そんな中、テレビCMで「ドクターネイル」を知ったので早速調べてみた

すると爪が割れやすい、爪が薄い人に効果があるとの記載を見付け、思わず3本購入した

それ以来、就寝前に一塗りするだけを続けているが、爪が厚くなり、固くなり、割れも少なくなってきた気がしている

期間は1週間程なのであるが、その違いに感激してブログに書くことにした


ギターを指で弾く為に、右手の爪は特殊な形状にしているせいかもしれないが、最も酷い時には弾いている内に爪が割れたことがある

爪が割れると痛い、しかしギターは弾きたい

こんな葛藤を続けていたので、今の状態は本当に嬉しいのだ

今はコートマニキュアは使用していない


緑内障と花粉症のお陰で1日の内に何度も目薬を差す必要があるので、至る所に置いてあり、その1つが寝室である

寝る前にも差さねばならないのだが、その時にドクターネイルを使用している

完全にルーチンワーク化しているので、どんなに酔っ払っていても、眠くても必ず行う様にしている

妻もドクターネイルを一緒にしたいと言うのだが、面倒なのか1日だけ付き合っただけである

それとも、私に試させてどれ位の効果があるのかを観察しているのかもしれない


爪を観察すると、縦皺が波を打っているのだが、以前と比較してピンク色になって来た

またその内に報告します

静かすぎる生活

2016-03-24 07:44:00 | 閃き
いよいよ、長女一家が引っ越していった

婿の仕事の関係で東京本社へ転勤していった

従って、昨日までのあの嵐のような賑やかな生活は一夜にして一変してしまった


以前は賑やかすぎる中で、散らかし放題の男の孫に手こずった長女が手に余った女の孫を私に預けて色々済ませていた事を思うと、新生活はさぞや大変だろうと推測するのだが、そんな話をした友人達は、何とかするだろうと気楽を決めている

幾つになっても親バカであるのには仕方が無い


昨夜もいつもの時間に帰宅したが、人が居ないのでは?と思う程の静けさであった

妻は黙々と夕飯の支度をしている

やたらと広く感じる居間に腰を下ろすと、ワンコのメイがすかさず、あぐらをかいた脚の上に丸く寝転んだ

昼間に誰も居なくなり、居間も寒くて寂しかったと訴えているかのように感じた

しばらくは頭を優しく撫でてやっていた


夕飯のメニューは以前とは180度違っていた

若くて肉食系の食事から、野菜中心の高齢者向けに様変わり

しかし、それがホッとした気分で食べられたのが唯一の救いであった

肌寒さを覚えたので、呑むはずでなかった日本酒の熱燗を一杯

直ぐに身体が温まり、睡魔が襲ってくる

相変わらず洋画好きの妻は傍らで居眠りする私にお構いなく映画を楽しんだ

実母から電話があり、寂しいと連呼した後、妹と一緒にカラオケで紛らわそうと誘ってくれたのだが、一杯飲んだ後だったので断った


それぞれに寂しさを感じ、それに対して受け止めて対処しようとしている

さてさて、静かすぎる生活はこの後どうなって行くのであろうか?

ナビと抜け道

2016-03-22 08:31:01 | 閃き
この春の3連休は天候にも恵まれて外出する人が沢山いた

連休初日に車で2時間ほどの場所にある弘法大師様にお参りに行ったのだが、道路は何処も大渋滞になっていた


渋滞に陥った時に活躍するのが抜け道である

地元の住民しか知らないようなセコ道を抜けると、あっという間に目的地に近づく事が出来る便利な道であるが日頃は通る事は無い

道路が混雑さえしていなければ一般幹線道路を使用した方が断然早い


今回も渋滞に遭ったので抜け道を利用した

所がなんと抜け道も渋滞しているではないか

念のためにナビをセットしていたのだが、抜け道方向へ進むと自然とルートが抜け道に合っていた

そうか、同じ様なナビゲーションを使用している車は、渋滞回避モードにするか、たまたま抜け道方向へ向かうと、抜け道ルートを選択してしまうようなのだ

これでは抜け道にならない


どんどん便利になる世の中である

一部の人しか知らなかった情報さえも、あっという間に知れ渡ってしまう昨今

情報も選んで提供してもらう様にならないと、無駄に情報が流れて迷うことだってある

考え物だね


帰りに自宅までナビ頼りで運転していたら、新しくできた高速道路へ入っていまい、先のICで引き返す羽目にあった

新しい構想の情報が無かった為に分岐があるとは気が付かなかった

これもナビの悪いところだね


最後の打ち上げ

2016-03-19 07:21:38 | 閃き
30年に渡り生業としてきた事業からの撤退を会社が発表してから2年、ようやく終止符を打つ時を迎えた

その事業には当初から2社の協力会社に大変なお世話になっていたのだが、今はそれぞれが2代目の社長さんになっている

従って業務を辞めますと言っても簡単では無い

2社の内1社他の会社の仕事を行う事で継続し、もう1社はこれを機に廃業される事になった

締めくくりとして2社の事もキチンと纏めなければならない

大手企業ならビジネスライクで、はい終わりで済ますのかもしれないが、30年もお世話になった方々にそんな態度は取れない

終わりの作業は始まりの作業よりも面倒で手間も掛かるものなのだ


その事業の立ち上げを当時入社間もない私が担当していたので、幕引きの役を任じられたのだが、2代に渡るお付き合いなので半ば家族の様でもある

その幕引きが一応の形となったので、個人的に2社の社長さん達をお招きして打ち上げを行った

仕事繋がりでは本当に最後の打ち上げとなる


この3人が一同に介することは本当に久し振りで、乾杯の後はお互いの近況報告をしあった程である(業務自体には別の社内担当者がいる為、逢うことは殆ど無かった)

会場は協力会社の社長が手配したバル、イタリア料理が中心の気さくなお店である

午後7時にグラスを重ね、料理に舌打ちしながらお喋りをする

30年前の思いで話や現代の話題まで、3人は本当に良くしゃべった

お酒をそんなに呑む人達では無いので適量であり、デザートにコーヒーで締める事からも酒盛りでは無い事が判る

時は11時半になっていた

4時間半経っても未だ話したり無いと誰もが感じたままお別れする事にしたが、今後は仕事を離れたお付き合いを誓い合った


人生の終わり近くに仕事の締めくくりを担当すると本当に時代の変化を認識できる

今回の幕引きは本当に上出来だったと我ながら満足している

だからこそなのだろうか、最後の打ち上げは悲しさよりも楽しさが一杯だった