何処を見回しても山が見える町に住んでいる。
それぞれが馴染みのある山ばかりである。
ただ住む地域によって、微妙に山にまつわる話が異なってくる。
熊本市の西部には金峰山がそびえている。
(金峰山)
頂上には神社があったり、NHKを初め民放各局のTVアンテナが集中している。
頂上からの眺めは、熊本平野から阿蘇の山々は一望だし、有明海から長崎県の雲仙・島原まで望むことが出来る。
二ノ岳~三ノ岳という外輪山を含む休火山なのである。
平野を挟んで東には我が町「益城町」があって、代表的な「飯田山」が見える。
(飯田山)
頂上の直ぐ下には、「常楽寺」というお寺があって、かつては修行僧が沢山いたらしい。
この「飯田山」と「金峰山」の高さ比べの話は、20数年前この町に引っ越してきた後で、郷土の民話として始めて知った。
金峰山は600mを超える山で、飯田山は400mそこそこの山である。
お互いにちょっと見には、分らなかったらしく自分の方が高いと譲らなかった。
そこで、頂上から頂上へ竹の樋を渡して水を流し、水が流れた方が低いと判定することにした。
水は200m程の高低差があるくらいだから、当然飯田山の方に流れた。
ただし、途中で重さで樋が折れて水が溢れてしまった。
その溢れた水で「江津湖」が出来たというお話。
(江津湖)
あれだけ広い江津湖が出来るくらいなら、どれだけの水を流したというのだろう。
そもそも、背が低いくせに背比べを言い出した「飯田山」は、それ以来「もう言い出さん(飯田山)」と謝ったというのがオチ。
我が故郷にも山があって、これが毎度登場する「鞍岳」で1100mちょっと。
(鞍岳)
頂上は、男岳・女岳の二つがあって、馬の鞍に似ているので鞍岳。
これに対するは、阿蘇外輪山の立野火口瀬を挟んで南に位置する「俵山」1000mちょっと。
(俵山)
この俵山も見る方向で全く形が変わる。
わが故郷の方向から見ると、頂上が鞍岳と同じく二つに見える。
ただ鞍岳と違って、二つとも柔らかい丸みを帯びていて如何にも俵を積んだように見える。
似たような山容の、似たような高さゆえ、やはりここはきっちり高さ比べで決着をという定番コース。
こちらも、場所は変われど品物は同じで、竹を割って樋を作り水を流すパターン。
物語もまったく変わらず、水は低い俵山の方向に流れ、途中で溢れてしまう。
俵山峠を超えて南阿蘇谷に向かう道路沿いに、西原村の「萌えの里」という施設がある。
その近傍にある「揺ケ池」がその、溢れた水が溜まった池だというお話。
金峰山vs飯田山、鞍岳vs俵山のいずれも、対戦する山は同じだが、溢れた水の場所は地方により異なる。
それぞれ、2~3箇所の池や湧水地が名乗りを上げっぱなしで、現在に至っている。
それぞれの山と、湧き出でる水の恵みは変わらず地域の生活を支えている。
山の背比べ物語は、自然への感謝の物語でもある。
「何も無い空気と水がおもてなし」・・・・しろ猫
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それぞれが馴染みのある山ばかりである。
ただ住む地域によって、微妙に山にまつわる話が異なってくる。
熊本市の西部には金峰山がそびえている。
(金峰山)
頂上には神社があったり、NHKを初め民放各局のTVアンテナが集中している。
頂上からの眺めは、熊本平野から阿蘇の山々は一望だし、有明海から長崎県の雲仙・島原まで望むことが出来る。
二ノ岳~三ノ岳という外輪山を含む休火山なのである。
平野を挟んで東には我が町「益城町」があって、代表的な「飯田山」が見える。
(飯田山)
頂上の直ぐ下には、「常楽寺」というお寺があって、かつては修行僧が沢山いたらしい。
この「飯田山」と「金峰山」の高さ比べの話は、20数年前この町に引っ越してきた後で、郷土の民話として始めて知った。
金峰山は600mを超える山で、飯田山は400mそこそこの山である。
お互いにちょっと見には、分らなかったらしく自分の方が高いと譲らなかった。
そこで、頂上から頂上へ竹の樋を渡して水を流し、水が流れた方が低いと判定することにした。
水は200m程の高低差があるくらいだから、当然飯田山の方に流れた。
ただし、途中で重さで樋が折れて水が溢れてしまった。
その溢れた水で「江津湖」が出来たというお話。
(江津湖)
あれだけ広い江津湖が出来るくらいなら、どれだけの水を流したというのだろう。
そもそも、背が低いくせに背比べを言い出した「飯田山」は、それ以来「もう言い出さん(飯田山)」と謝ったというのがオチ。
我が故郷にも山があって、これが毎度登場する「鞍岳」で1100mちょっと。
(鞍岳)
頂上は、男岳・女岳の二つがあって、馬の鞍に似ているので鞍岳。
これに対するは、阿蘇外輪山の立野火口瀬を挟んで南に位置する「俵山」1000mちょっと。
(俵山)
この俵山も見る方向で全く形が変わる。
わが故郷の方向から見ると、頂上が鞍岳と同じく二つに見える。
ただ鞍岳と違って、二つとも柔らかい丸みを帯びていて如何にも俵を積んだように見える。
似たような山容の、似たような高さゆえ、やはりここはきっちり高さ比べで決着をという定番コース。
こちらも、場所は変われど品物は同じで、竹を割って樋を作り水を流すパターン。
物語もまったく変わらず、水は低い俵山の方向に流れ、途中で溢れてしまう。
俵山峠を超えて南阿蘇谷に向かう道路沿いに、西原村の「萌えの里」という施設がある。
その近傍にある「揺ケ池」がその、溢れた水が溜まった池だというお話。
金峰山vs飯田山、鞍岳vs俵山のいずれも、対戦する山は同じだが、溢れた水の場所は地方により異なる。
それぞれ、2~3箇所の池や湧水地が名乗りを上げっぱなしで、現在に至っている。
それぞれの山と、湧き出でる水の恵みは変わらず地域の生活を支えている。
山の背比べ物語は、自然への感謝の物語でもある。
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