カンチャン狂騒曲

日々の事をあれこれと、大山鳴動してネズミ1匹がコンセプト。趣味さまざまなどを際限なく・・。

桜とソバと音楽と・・・。

2018-03-29 09:38:41 | おでかけ
 桜が最高潮というなら今だろう。

 希望を持たせる3~5分咲、風も無いのにハラハラ散りゆく桜、いやいや葉桜がいいなど、桜は楽しみ方も千差万別。

 個人的には今が好きだ。

 時折吹いてくる緩やかな春風に、思いだしたように数輪がヒラヒラと舞い降りる風情がよろしい。

 

 秋津川の河川敷の桜も、ほぼ90%は道路工事と仮設堤防に挟まれた立ち入り禁止の中で咲き誇っている。

 立ち入りは出来ないし、もちろん手入れもしてないので草は伸び放題である。

 ただ遠くから眺めるにはなかなか長閑でいい。

 

 せめて花見の時期だけと、慌てて枯れ草が刈り取られて立ち入りが出来る50~100mばかりの空間には、平日でも人が集っていた。

 陽気に誘われて、お年寄りや春休みになった子供達が三々五々訪れている。

 私が通りかかったとき、ギターを立て掛けた若者が椅子に座ってソバを食べ始めた。

 回りはみな弁当を食べたりしているので、取り敢えず腹ごしらえをしようというのだろう。

 聴いてみようという気になったのだが、若者の食欲を邪魔するのは悪いと思って通り過ぎることにした。

 そこに年配の夫婦らしき二人連れが通りかかって、「コンサートやるの?」と、ソバを頬張っている若者に訊いた。

 頬張ったソバをあわてて、吞み込みながら「コンサートという程ではありません。好きで歌って皆さんが聴いてくれればいいなという、その程度です」と若者が答えている。

 「私はねえ・・・〇〇の歌が若いときから好きで・・・」などと、女性が話しかけ「その曲できる?」と連れの男性の声が、通り過ぎようとした私にも聞こえてきた。

 私も立ち停まろうかと迷ったが、若者の目の前の食べかけのソバが、何処まで伸びるのだろうと思うと止まれなかった。

 

 暫くすると、遠くから微かにギターの音色が聞こえてきたような気がして振り向いた。

 若者がギターを奏で、年配のふたりがそれに聴き入っていた。

 私も残って聴けば良かったなと思いながらも、譜面台の横の小さな折りたたみテーブル上で、ますます伸びゆくソバが頭から離れなかった。

 「忖度」とか「斟酌」とか「空気」とかの単語が春の風にのって漂うのが、見えたような気がした。

 
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