九月二十四日(木)晴れ。
午前中に歯の調子が悪くて歯医者へ。正午、伊勢佐木町の有隣堂で一時間ほど暇つぶし。喫茶店などにいても、一人では一時間もいられないのだが、書店では一時間などアット言う間である。日本の陸海軍の戦闘機のシリーズを集める本が出ていて、欲しかったが、飾る場所もないのであきらめた。
六時に、関内駅にて、所用にてヨコハマに来訪した弊社の後援会長である、隠岐康氏と待ち合わせ。仕事の話も少々あったので、サリーを誘って関内の「三津哉」という寿司屋へ。私は初めての店だったが、何のことはないオヤジは、他の店での知り合いだった。まあ関内は、十七歳の頃から飲んでますから、古い人達は大体顔馴染みである。しかし、関内もいい店が少なくなった。たまに書店でヨコハマの飲み屋を特集したガイドブックを見るが、ほとんどガキを対象とした店や、昨今流行のホッピーなどを飲ませる店ばかりが注目を浴びている。ナメンジャネェーヨと言った感じですね。
その後、サリーの店に寄ってから、クラブ、アルテミスに転戦。まあ最近のニュークラブというものにどうも馴染めない。隠岐氏には悪かったが早々に引き上げて、山下町のラッキーの店へ。ここに、後輩で某ホテルの支配人のY君が、私がいることを聞いて、急襲。楽しい酒席となった。十一時、突然汽笛が聞こえた。これだけで酒が飲めると言うもの。
ヨコハマは浅草や池袋のような下町じゃネェンダよ。(住んでいる方には平身低頭)大体、昨日や今日の流行の店に、ヨコハマのオンナを連れて行けるかって言うの。ホッピーや消毒液のような焼酎を飲ませるアルコール依存症のたまり場みたいな店がもてはやされているが、それはヨコハマの文化じゃないね。もっと、大人が楽しめる、シブイ店を紹介したらどーなの、三流雑誌社さんたちよ。
最も、ヨコハマのいい店を紹介されて、一見顔見知りのような他人で一杯になったなら、私の出番もなくなるから、紹介されるのは困るかも。何とか軒のシューマイではないけれど、雑誌に載るような店に、本物のヨコハマはないね。嘘じゃないよ。いずれ私が、これがヨコハマの飲み屋、特集をしますので楽しみにして下さい。自分のポリシーとして、人を接待する、良い店を知らない人とは、余り酒席を共にしたくない、と言うのが私のわがままな考えです。
良い飲み屋、飯屋を知らないということは、良い友達がいない、ということと同義語と言うのが、私のスタンスです。ナマイキナことを言ってスマン、スマン、オスマントルコ。今、チョット酔ってます。親友の石橋卓次さんから頂いた「甕雫」をもう半分くらい飲みました。酒の肴は、野村先生との旅のアルバムです。もう寝ます。