白雲去来

蜷川正大の日々是口実

ノンフィクションの「巨人」が、「虚人」に?

2013-05-01 12:22:24 | インポート

四月二十九日(月)晴れ。昭和の日。

 起床後に玄関に国旗を掲げる。先帝陛下を偲び遥かに多摩御陵を遥拝する。

 一日、何もせずにひたすら思考停止のまま時が過ぎて行く。何とか体にエンジンをかけて、機関誌の編集を行った。夜に町内の人たちとの月に一度の飲み会があることを思いだし、松原商店街へ「かつお」を買い出しに行った。

 私は、カツオは背よりも腹の方が好きである。何か脂がのっているような気がする。少し早めにラーメン屋の「たつ屋」に行き、カツオで一杯。終了後は、となりの「魚くま」へ寄ってから帰宅。

知り合いの編集者からすごい内容の本が送られてきた。それは「ノンフィクションの巨人」とまで言われた作家の佐野眞一氏の剽窃(ひょうせつ・他人の詩歌・文章などの文句または説を盗み取って、自分のものとして発表すること)問題をすっぱ抜いた本である。

佐野眞一氏と言えば「週刊朝日」誌上にて橋下大阪市長の出自をスキャンダラスに描いて問題になったことが記憶に新しい。私は佐野氏の書いた「阿片王」などは好きな本だが、主人公の里見甫の若き頃に関して取材不足であることを、あるサイトで知った。その時は、まああまり気にもしなかったが、業界では佐野氏の剽窃・盗用はかなり有名だったらしく、送られてきた本には、その実情が生々しく語られている。

Photo_3※宝島社から発売されている「佐野眞一が殺したジャーナリズム」。1143円。すごい本です。


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立て続けに良い本を読んだ。

2013-05-01 10:29:46 | インポート

四月二十八日(日)晴れ。

 世の中は、ゴールデンウィークなどと浮ついているが、こちらとしては単に無聊な日々の繰り返しに過ぎない。こんな時に、ガアーッと仕事をすれば良いのだが、体と思考だけは連休モードに入ってしまっている。

 午後から、家族で買い物。五月に二人の子供がそれぞれ修学旅行へ行くので、それに着て行く服を買いに伊勢佐木町へ行った。私は、子供の服などを見ても分からないので、有隣堂で書籍浴。書評にあった浅田次郎の「一路」上下、中央公論社刊、各千六百円。主人公の小野寺一路が父の不慮の死を受けて、突然、参勤交代の御供頭をつとめることになる。唯一の手掛かりは先祖伝来の「行軍禄」のみ。江戸までの道中の苦労話やお家騒動ありで、待っている間に、半分以上読んでしまった。これは絶対に映画になると思った。

Photo_2※これから下巻を読みます。

 今月は、劇作家の高木尋士さんが最近上梓し、贈呈頂いた「フクロウのいる部屋」(集英社刊・1400円)もとても良かった。高木さんがフクロウの「コトバ」と一緒に生活していることは高木さんのブログやFBで知っていたが、どのような暮らしぶりかは、この本を読むまでは知らなかった。まずフクロウの「コトバ」を飼うまでのいきさつ、その生態と暮らし、まるで子育て奮闘記を読んでいるようだ。

高木さんは、原稿に向かう前に、こう自問するそうだ、「僕の書く脚本は生きているだろうか。僕の言葉に命はあるだろうか。僕の創る作品は、世界を撃つだろうか」と。毎日、暗くなれば酔っぱらっている私などとは大違いである。またフクロウは、「一日のほとんどをぼんやりしている。寝ているのか起きているのか分からない。とぼけた顔でおっちょこちょい。遊ぼうとしたら遊んでくれないが、相手にしないとちょっかいを出してくる。」らしいが、そうすると私もフクロウに似ているのかもしれない。

Photo※まるで「詩」を読んでいるような爽快感と感動がある。是非読んでみて下さい。
良い本を読んでいる時は、いい酒、美味い肴、良き友と一緒にいるのと同じような気がする。

夜は、カメ&アコちゃんを誘って、地元の焼き鳥屋さん「だんらん亭」へ行った。ここのおかみさんとは同級生。一時間ほど飲んでから「やまと」に転戦して帰宅。


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