白雲去来

蜷川正大の日々是口実

城ケ島へ。

2018-07-23 09:56:06 | 日記
七月二十二日(日)晴れ。

暑い日が続いている。私は、普段は、寝る時にはクーラーを使用せずに扇風機だけでも十分なのだが、さすがに今年の夏は、クーラーなしではいられない。温度設定を二十八度にして、朝五時までのタイマーにして寝ている。横浜が、沖縄やハワイなどよりも暑いと言うのだから、どーなってんねん。と思わず関西弁が出てしまうほど、驚いている。

今日は、城ケ島のペンションにて、大行社の世田谷支部の「親睦会」が行われ、志村馨君と共に出席。城ケ島に来るのは随分と久しい。五年ほど前に、やはり世田谷支部のBBQにて来て以来か。その昔、小学生の頃に、遠足できたことがあった。その時は北原白秋の歌碑が随分大きなものと記憶していたが、大人になってから来てみると、大して大きなものではなかった。ただ自分が小さかっただけだ。でも、この歌碑と、城ケ島大橋、そして海とのコントラストが好きだ。白秋が生活的にもどん底の時代、「利休鼠の雨」と詠んだのは、自身の心の中を色に例えたのかもしれない。「城ケ島の雨」は、「雨は真珠か 夜明けの霧か それとも私の 忍び泣き」と続く。切ない。

十一時にお暇して帰宅。帰宅をしてから少し昼寝してから、原稿書き。締め切りの迫っている者が二本。ヒーコラ言いながら机に向かっていた。八時近くに、夕食。ロースハムにキャベツの千切り、鶏のもも焼き。お供は「古秘」。

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上海リリー。

2018-07-23 09:09:46 | 日記
七月二十一日(土)晴れ。

家にある最近買った本をすべて読んでしまった。大型書店に行く時間もないので、事務所の書棚から酷暑の中でも暑苦しい思いをしないような本を何冊か持って来た。もちろん過去に読んだものばかりだ。その中の一冊に、胡桃沢耕史の『上海リリー』(文藝春秋)がある。カバーがないので多分古書店で買ったものだ。本の裏に鉛筆で「300」と殴り書きの定価がある。胡桃沢耕史さんは、『黒パン俘虜記』で直木賞を受賞した方。『翔んでる警視』シリーズでも有名だ。私が若い頃は、本名の清水正二郎で、性愛小説を書いていたことでも知られている。

随分前のことだが、かつて新自由クラブという政党があって、そこで立候補した横浜在住の医師、工藤晃氏の選挙を応援(アルバイトの応援弁士)した時、選挙事務所で、幾度か応援に来ていた胡桃沢氏とお会いしたことがある。古いアルバムには、その時の物がある。胡桃沢氏の作品には、いわゆる大陸ものがいくつかあって、好きで読んだ。五月に上海に行ったこともあり、彼の『上海リリー』を再読した。

物語は、かつて上海にあった、日中戦争下の上海で日本軍によって設立された対重慶特務工作機関の、いわゆるジェスフィールド76号。後に汪兆銘政権が樹立されると、正式な政府機関となり、国民党中央委員会特務委員会特工総部と称した工作機関である。それを舞台にした小説なのだが、これがとても面白かった。元国民党特務の経歴を持つ丁黙邨、李士群らが国民党系のCC団や藍衣社などとの抗争や暗殺。丁黙邨を暗殺しようとした美貌の特務、鄭 蘋茹(てい ひんじょ)などの人物が描かれている。いずれこの時代の上海を舞台にした本を紹介してみたい。

夜は、トコロ天、ロースハムのキャベツの千切り添え、鶏のもも焼きを肴に酔狂亭で月下独酌。お供は「古秘」。

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