スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ダイナゴン&第一部定理二三

2007-08-08 20:42:34 | 血統
 帝王賞で大レース制覇を達成したボンネビルレコード。この馬の牝系も日本である程度の歴史を刻んでいます。
                         
 日本での祖となっているのは1952年にアメリカで産まれたダイナゴン(4-m)という馬。表記を見ますとDainagonとなっていますので,おそらく大納言のことではないでしょうか。1957年には日本で初産駒を産んでいて,この馬の父が日本で種牡馬生活を送っていた馬。ということは1956年の春には少なくとも日本にいて種付けされたことになりますので,おそらく日本で名付けられたものと思います。
 しかしこの系統,これまでに紹介したものと比べると細々と続いてきたといえ,大レースの勝ち馬というのは実にこのボンネビルレコードが初めて。それどころか,重賞を勝った馬というのもこれまでに1頭,それもダイナゴンの産駒のタイホープ(ボンネビルレコードもこの系統の子孫)という馬が産んだ,1969年産のタイバブー1頭しか出ていません。サラブレッドの血統というのはどうしても淘汰されていくものですから,こんなにも長いこと大レースはおろか重賞の勝ち馬も輩出していない母系が現在まで続いてきたというのは不思議な気さえします。

 王位戦七番勝負第四局は角換り相腰掛銀先後同型の戦いになりました。序盤は若干の手順の違いはありましたが,仕掛けてからの手順は今年の棋聖戦五番勝負第一局と同じ。そのとき渡辺竜王は☖3六歩と指しましたが,羽生王位の封じ手はどうなるでしょうか。局面は難しい筈ですが,消費時間に大きな差がついているのは気になるところです。

 第一部定理二一と第二部定理二二証明されることによって,いわゆる直接無限様態と間接無限様態が無限infinitumであるということ,とくに自己の類において無限であるということについてはこれでいいと思います。ところで,現状の課題というのは,自己の類において無限な実在というものは,スピノザの哲学においては何であるかということを調べることですので,これだけでは不備があります。なぜなら,神Deusの属性attributumと,各々の属性の無限様態modus infinitusが自己の類において無限な実在であるということについてはこれでいいとしても,それ以外にも自己の類において無限な実在があるかもしれないからです。
 第一部公理一の意味により,自然Naturaのうちに実在するものは実体substantia,すなわち実在する唯一の実体である神と,その神の属性,そして様態だけです。このうち,神は絶対に無限absolute infinitumであり,属性は自己の類において無限であるということがすでに明らかとなっているわけですから,もしも無限様態以外にも自己の類において無限なものが実在するとしても,それは様態であるということになるでしょう。したがって,無限様態以外には無限である様態は実在しないということを証明すれば,自己の類において無限な実在というのが,神の属性と無限様態だけであるということもまた証明されることになります。『エチカ』においてそれを示しているのは,次の第一部定理二三になります。
 「必然的にかつ無限に存在するすべての様態は,必然的に,神のある属性の絶対的本性から生起するか,それとも必然的にかつ無限に存在する一種の様態的変状に様態化したある属性から生起するかでなければならぬ」。
 すでに第一部定理二一と第一部定理二二についての考察から,この定理Propositioが,無限な様態が存在するなら,それは直接無限様態か間接無限様態であるということを意味していることについては問題がないものと考えます。
コメント
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