スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

サンタアニタトロフィー&神だけである証明

2007-08-02 20:43:13 | 地方競馬
 アメリカにはサンタアニタ競馬場があって,大井競馬場とそこは姉妹競馬場。昨日の大井で第28回サンタアニタトロフィーという名のレースが行われたのはそういう関係からです。
 どの馬が逃げるのか予想しづらいレースでしたが,ベルモントファラオが先手を奪いました。インターセフォーとホクトアサティスがこれを追い,前半の800メートルが48秒1。ミドルペースでのレースとなりました。
 3コーナー手前で故障を発症,残念ながらそのまま安楽死処分となったベルモントファラオが後退。ホクトアサティスが先頭に立ちましたが,直線に入ると失速。インターセフォーがまず抜け出すと,この外から,道中は中団にいて,向正面から進出を開始して追い上げてきたショーターザトッシ,さらにその外により後ろに位置していたシーチャリオットが並びかけて3頭の叩き合いに。勢いではシーチャリオットかと思ったのですが,真中のショーターザトッシがこの追撃を首だけ抑えて優勝。シーチャリオットは2着で,インターセフォーが3着でした。
 優勝したショーターザトッシは笠松デビュー。大井転入初戦で白星。その後は2勝しかしていないのですが,入着を着実に繰り返してこのクラスまで上がってきました。南関東重賞は初制覇。鞍上の川崎の今野忠成騎手は前開催もジャパンダートダービーを勝っています。僕の印象だと今野騎手は,馬をトップスピードにのせた後,それを維持する能力に秀でた騎手で,人気のシーチャリオットより先に動いて叩き合いを制したこの騎乗は,そのよさをいかんなく発揮したように思えます。
 逆にシーチャリオットは1コーナーでやや不利を受け,そこでの位置取りを悪くしてしまったのが最後になって響いてしまったという印象。3歳の東京ダービー以来,勝てていませんが,現状の体重を維持できれば,どこかで勝てるのではないかと思います。

 絶対に無限な実在というのが神だけであるということは,確かにスピノザの哲学における事物の定義のあり方という観点からして,第一部定義六から直接的に生じてくるわけですが,部分的にはこれはあまりにも形式的であるともいえると思いますので,『エチカ』に訴えることによって,ほかの仕方でもこれを証明しておくことにします。なお,神すなわち絶対に無限な実体が実在するということについては,ここではすでに証明されているという前提で話を進めます。
 神のほかに何か実体が実在すると仮定してみます。ここでは絶対に無限な実体が神だけであるということが証明できれば十分ですが,絶対に無限な実体に限らず,ある実体が実在すると仮定します。そこでこの実体をXと仮定すれば,第一部定義四によって,この実体Xの本性はある何らかの属性,たとえば属性Aによって構成されます。
 ところで,第一部定義六説明から分かるように,神が絶対に無限であるなら,神の本性はありとあらゆる属性から構成されるわけですから,当然のことながらこの属性Aも神の本性の一部を構成することになります。したがって,神のほかにある実体が実在すると主張することは,同一の属性を有する複数の実体が存在することを主張することにほかならないということになります。ところが,第一部定理五によって,これをいうことは不条理です。よって,自然のうちには絶対に無限である神のほかには,いかなる実体も存在し得ないということになります。いかなる実体も存在し得ないなら,絶対に無限な神以外の実体も存在し得ないというのは当然でしょう。したがって,自然のうちに実在する絶対に無限なものは,神だけであるということになります。
 なお,この証明はスピノザによる第一部定理一四の証明と同じです。そちらも参考にしてください。
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