フクリューエン 2014年03月30日 | 椰子の実の中 私の父というのは、ひどいニコチンの虜であった。 昼も夜も、煙草が無くてはダメだった。 一日のほとんどを一つの部屋で過ごした。 その部屋は寝室でもあり、母もその部屋で寝た。 明け方、毎日、母の咳が離れた部屋まで聞こえてきた。 彼が亡くなって半年あまり経った頃、母がすっかり咳をしなくなったのに気付いた。 更にそれから一年以上経ってから、他の人もいる時に、そのことを母に告げた。 本人は、気付いてい . . . 本文を読む