犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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インパール作戦と組織体質

2017年08月15日 | 椰子の実の中
これから来客があるが、接客する元気が無い、
ということを老母84歳パーキンソン病が言う。

体調に波があるので、来客の約束はなかなか難しい。
一体誰が来るのかと聞いたら
「名前わからない」と言う。ええっ、何者だ?
というか、来る人の名前も聞かないのか?
よく確かめると、聞いたが忘れた、ということのようだ。
そんならそうと言わないと、名も知らぬ人を家に入れようとしたのかと思って
びっくりするわい。
それならまるで対処が違ってくるし。

聞けば、NHKの若いディレクターが来る、という。
「インパールのことだからお話したいと思ったの」
なるほど。

多くの死者を出した無謀なことで悪名の高いインパール作戦である。
牟田口司令官の暴走をその上司である河辺が止めなかったというふうに捉えられている。

母は、河辺正三(かわべまさかず)の四女だ。
三女は夭逝し、長女も次女も亡くなって久しい。
そこで、何か取材できないかと足を運んで来たものの、
母は直接応対できなかった、というわけだ。

たまたま在宅したので、私が応対した。
母から聞き知っていることなどわずかなものだ。
祖父は家庭に仕事を一切持ち込まなかったという。
今も母の寝室に晩年の写真が飾ってあるが、
ネット上にはまず見つからないような顔だ。

古いアルバムを探し、ディレクター氏にお貸しした。
アルバムには、女学校の生徒だった三女から戦地ビルマの父への手紙も挟まっていた。

戦後の祖父の仕事は、復員であった。
天皇から直接、たのむ、と言われたそうだ。

退役後、祖父は出家した。
在家出家と言って、家庭で生活しながら、仏門に帰依した。
軍人は皆、英霊として靖国に祀られているが、
祖父は仏教徒となったので、み柱として神様のようには言われていない。
私の生まれる4年前に河辺は他界している。
出家した祖父自身の胸の内は、知る由も無い。

私のような、歴史に興味を持てないド素人でも、
ちょっと調べると、当時の日本陸軍の体質というものが見えてくる。
絶対的な上下関係、責任の所在をなすりつけ合うことなど。
今、当時の日本陸軍の体質、と書いたが、
現代も日本の組織の中にはそういう傾向が大いにあるように思う。

インパールは、個人が起こした事件ではなく、
日本人のそういった組織体質が招いた悲劇なのではないか、と思う。



番組は新しく見つかった資料も踏まえて構成しているという。
陰の大立て者が現るか?

NHK総合 午後7:30~8:43

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