[あらすじ] 飼い犬ウーゴくん4歳半去勢オス。
10月初めに保護団体から引き取った。
初めての物すべてにビビる性格。
だが、毎朝のドッグランにはすっかり慣れた。
その代わり、夕方の子どもを怖がるようになった。
昨夕の散歩では、自宅から200メートルくらいのところの
友人M宅の敷地でオシッコして、それだけで帰った。
落ち着いてオシッコできる場所が有るのは良いことだが
それが優しい友人宅で良かったよ…。
今朝の散歩の帰途、道で低学年男子が縄跳びの練習をしていた。
腕をぶん回して、バタンバタンと足音を立てて跳ねている。
せいぜい幅3メートルの道で、家の方を向いて
つまり縄を回すと道幅いっぱいになる。
犬が緊張する。
帰り道だから、通り抜けないと帰れない。
縄が引っ掛かったので、止まっている。
今のうちか。
と近付くと、また跳び始めようとする。
声をかけて、待ってもらった。
ウーゴは速足で通り抜けた。
速足くらいで通れるのだから、上出来だ。
怖くてたまらなかったらそもそも通れず回り道をするだろうし、
通れても尻尾を巻いて尻を落としてグイグイ引っ張るだろう。
※
ドッグランでのお楽しみの一つは、穴掘りである。
困る。
ランのど真ん中に穴が有ると、
犬でも人でも足を挫いてしまいかねない。
だから、犬が穴を掘ったら、すぐに埋める。
ただ、ウーゴはど真ん中はあまり掘らない。
きまってフェンス沿いを掘る。
これもいけない。
掘り進んだら外から陥没して貫通してしまいそうだ。
脱走しようとしているのか?
北東の隅と、北西の隅をよく掘る。
オセロか?
角を取ると強いのか?
※
掘ったら、埋める。
日によっては、掘るのが楽しくてたまらなくなる。
掘って、私が埋めている間に、もう一ヶ所を掘る、
そこを埋めている間に、またもとの所を掘る。
3回くらい埋めると、私も埋め飽きる。
いやんなる。
掘らせなきゃいいのだが。
日中、自宅では寝てばかりいる。
楽しみの一つ二つくらい有ったほうがいいだろう。
穴を掘って発散したら良い。
そう考えて、止めない。
掘りたいだけ掘りなさい。
※
前足を交互に強く勢い良く掻く。
驚くほどのスピードで穴は深くなる。
犬の身体の角度がどんどん下がる。
頭が穴の中に隠れそうなくらいになる。
掻いた土は犬の胸腹の下を抜けて
後ろに飛び散る。
掘った穴の横に、扇状に土が広がる。
これを搔き集めて穴に入れて、踏み固める。
散った土を集めるには、箒が便利だ。
ドッグランには、小さめのスコップと
短い箒と長い箒が置いてある。
助かります。
ウーゴが向こうの隅っこで穴を掘り始めると、
私は長い箒を持って、現場へ向かう。
※
急いで行かない。
掘りたいだけ掘ればいい。
とても楽しそうだ。
でも、繰り返し掘るのはやめて欲しい。
埋めた所をまた掘る埋める掘る埋めるの繰り返しは、
ムナシイ。
だから、埋めた穴のそばに、箒を持って立って番をする。
※
ただ箒を持って立っているのは、つまらない。寒い。
気功のシショーが、なんか中国の剣術を練習していたな。
ああいうのいいな。
というわけで、
家に帰ってインターネットで検索した。
「杖術 基礎」
棒術の動画サイトが見つかる。
「棒に慣れよう」というテーマで、
いくつもの棒廻しのパターンを紹介している。
これはいい。
楽しい。
家の中でやってみるわけにもいかないので、
PCの画面を見ながら、30㎝の物差しで試してみる。
短いし軽いし、よく分からん。
次の朝、ドッグランに行って箒で試してみる。
大きく腕を回す。
日常動作ではここまで肩関節を動かすことはなかなか無い。
気持ちいい。
※
図書館で『杖道入門』を借りてくる。
杖を持つ姿勢が、美しい。
体に沿わせて持つ。
まっすぐな杖がまっすぐな体にきれいに沿うので、
杖を持っているのはある方向からだと見えないだろう。
美しい。
解説にこうある。
「杖道は、両手を広げたなかで杖を操作するという特性上、
身体運用面からみると諸武器術のなかで最も広い自由度をもっている。
かつ左右の手足を様々な角度から同じように使うため、
バランスの良い身体づくりができ、
ある程度の身体的偏向性が生じている場合は、
その修復に寄与し得る。」
つまり、「身体の歪みが改善できっかもよ」と。
「杖道は、形武道であるから必ずしも体力や健康に恵まれない方々にとっても、
無理なく稽古することができる。剣道と違い、
青年期を過ぎてから、あるいは中高年になってからでも容易に親しむことが可能である。
実際に今日の杖道人口を支えている人の大半は、
これまで武道の経験の全くなかった人たちである。」
つまり、「あんたも始められるよ」と。
「杖道は、男性と女性が互角にその技量を尽くせる数少ない武道である。
男女混合で仕打を組む、あるいは男性組と女性組が大会などで仕合い(演武)することは
日常的なことであり、その場合、往々にして女性が勝ちを制することが見受けられる。
これは、身体運用において体力に頼った、いわゆる「力まかせ」の武道でないことの
一つの証明になろう。
つまり、「筋力なくてもいいよ」と。
などなど。
あれ?ちょうどいいものを見付けたのかな?
ま、杖道じゃなくて箒術だけど。
※
「ウーゴくん、穴掘りばっかりするからおかあさんがどんどん
バトン上手になってるよ。」
とドッグラン仲間が言うのが聞こえてくる。
バトンじゃないし。’おかあさん’じゃないしっ
訂正しないけど。
そのうち植木に打ち込んだりし始めれば、おや?バトンじゃないかも?ってなるだろう。
そこまでいくかどうかは、ウーゴの穴掘り趣味が続くかどうか、でもある。
10月初めに保護団体から引き取った。
初めての物すべてにビビる性格。
だが、毎朝のドッグランにはすっかり慣れた。
その代わり、夕方の子どもを怖がるようになった。
昨夕の散歩では、自宅から200メートルくらいのところの
友人M宅の敷地でオシッコして、それだけで帰った。
落ち着いてオシッコできる場所が有るのは良いことだが
それが優しい友人宅で良かったよ…。
今朝の散歩の帰途、道で低学年男子が縄跳びの練習をしていた。
腕をぶん回して、バタンバタンと足音を立てて跳ねている。
せいぜい幅3メートルの道で、家の方を向いて
つまり縄を回すと道幅いっぱいになる。
犬が緊張する。
帰り道だから、通り抜けないと帰れない。
縄が引っ掛かったので、止まっている。
今のうちか。
と近付くと、また跳び始めようとする。
声をかけて、待ってもらった。
ウーゴは速足で通り抜けた。
速足くらいで通れるのだから、上出来だ。
怖くてたまらなかったらそもそも通れず回り道をするだろうし、
通れても尻尾を巻いて尻を落としてグイグイ引っ張るだろう。
※
ドッグランでのお楽しみの一つは、穴掘りである。
困る。
ランのど真ん中に穴が有ると、
犬でも人でも足を挫いてしまいかねない。
だから、犬が穴を掘ったら、すぐに埋める。
ただ、ウーゴはど真ん中はあまり掘らない。
きまってフェンス沿いを掘る。
これもいけない。
掘り進んだら外から陥没して貫通してしまいそうだ。
脱走しようとしているのか?
北東の隅と、北西の隅をよく掘る。
オセロか?
角を取ると強いのか?
※
掘ったら、埋める。
日によっては、掘るのが楽しくてたまらなくなる。
掘って、私が埋めている間に、もう一ヶ所を掘る、
そこを埋めている間に、またもとの所を掘る。
3回くらい埋めると、私も埋め飽きる。
いやんなる。
掘らせなきゃいいのだが。
日中、自宅では寝てばかりいる。
楽しみの一つ二つくらい有ったほうがいいだろう。
穴を掘って発散したら良い。
そう考えて、止めない。
掘りたいだけ掘りなさい。
※
前足を交互に強く勢い良く掻く。
驚くほどのスピードで穴は深くなる。
犬の身体の角度がどんどん下がる。
頭が穴の中に隠れそうなくらいになる。
掻いた土は犬の胸腹の下を抜けて
後ろに飛び散る。
掘った穴の横に、扇状に土が広がる。
これを搔き集めて穴に入れて、踏み固める。
散った土を集めるには、箒が便利だ。
ドッグランには、小さめのスコップと
短い箒と長い箒が置いてある。
助かります。
ウーゴが向こうの隅っこで穴を掘り始めると、
私は長い箒を持って、現場へ向かう。
※
急いで行かない。
掘りたいだけ掘ればいい。
とても楽しそうだ。
でも、繰り返し掘るのはやめて欲しい。
埋めた所をまた掘る埋める掘る埋めるの繰り返しは、
ムナシイ。
だから、埋めた穴のそばに、箒を持って立って番をする。
※
ただ箒を持って立っているのは、つまらない。寒い。
気功のシショーが、なんか中国の剣術を練習していたな。
ああいうのいいな。
というわけで、
家に帰ってインターネットで検索した。
「杖術 基礎」
棒術の動画サイトが見つかる。
「棒に慣れよう」というテーマで、
いくつもの棒廻しのパターンを紹介している。
これはいい。
楽しい。
家の中でやってみるわけにもいかないので、
PCの画面を見ながら、30㎝の物差しで試してみる。
短いし軽いし、よく分からん。
次の朝、ドッグランに行って箒で試してみる。
大きく腕を回す。
日常動作ではここまで肩関節を動かすことはなかなか無い。
気持ちいい。
※
図書館で『杖道入門』を借りてくる。
杖を持つ姿勢が、美しい。
体に沿わせて持つ。
まっすぐな杖がまっすぐな体にきれいに沿うので、
杖を持っているのはある方向からだと見えないだろう。
美しい。
解説にこうある。
「杖道は、両手を広げたなかで杖を操作するという特性上、
身体運用面からみると諸武器術のなかで最も広い自由度をもっている。
かつ左右の手足を様々な角度から同じように使うため、
バランスの良い身体づくりができ、
ある程度の身体的偏向性が生じている場合は、
その修復に寄与し得る。」
つまり、「身体の歪みが改善できっかもよ」と。
「杖道は、形武道であるから必ずしも体力や健康に恵まれない方々にとっても、
無理なく稽古することができる。剣道と違い、
青年期を過ぎてから、あるいは中高年になってからでも容易に親しむことが可能である。
実際に今日の杖道人口を支えている人の大半は、
これまで武道の経験の全くなかった人たちである。」
つまり、「あんたも始められるよ」と。
「杖道は、男性と女性が互角にその技量を尽くせる数少ない武道である。
男女混合で仕打を組む、あるいは男性組と女性組が大会などで仕合い(演武)することは
日常的なことであり、その場合、往々にして女性が勝ちを制することが見受けられる。
これは、身体運用において体力に頼った、いわゆる「力まかせ」の武道でないことの
一つの証明になろう。
つまり、「筋力なくてもいいよ」と。
などなど。
あれ?ちょうどいいものを見付けたのかな?
ま、杖道じゃなくて箒術だけど。
※
「ウーゴくん、穴掘りばっかりするからおかあさんがどんどん
バトン上手になってるよ。」
とドッグラン仲間が言うのが聞こえてくる。
バトンじゃないし。’おかあさん’じゃないしっ
訂正しないけど。
そのうち植木に打ち込んだりし始めれば、おや?バトンじゃないかも?ってなるだろう。
そこまでいくかどうかは、ウーゴの穴掘り趣味が続くかどうか、でもある。
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