犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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多重録音

2017年01月18日 | 日々
何かにこる人というのがいる。
こらない人もいる。
性質が何か違うのだろう。
こる人は、子どもの頃からこる。
夢中になって一つ事に集中する。
一人でずーっとやっている。

近所の男の子の同級生が、そんな感じだった。
と言って、とじこもるわけではなく、よく外にも出て遊んでいた。
うちにも時折不意に現れて、
「電話貸して」とか
「おトイレ貸して」とか言ってあがってくる。
公衆便所か公衆電話と間違っちゃいないか。

プラモデルやラジコンもやるしアマチュア無線もやっていた。
男の子らしい趣味にしっかり手を染めている。
私も手芸などよりこういったことに興味があるので、
一緒に遊ぶのはおもしろかった。

落ち着きの無い子だった。
度を超えてはいなかったので、多動とかいったことではない。
高校生になっても、不意にうちに現れることがあった。
二十歳過ぎても突然来た。
勝手にしゃべるだけしゃべって、帰って行く。

小学生のある時、彼は多重録音にこった。

カセットテープは、何度も録音できる。
一度使ったカセットでも、後から別のものを録音して使える。
ただ、あんまり何度もそれをすると、テープが劣化して
音が悪くなる。

どういう仕組みかと言うと、二度目の録音をする時には
直前のところで前の録音を消去しているのだ。
前の録音を消して、今度の録音を記録している。
だから、新しいものだけが残る。

彼は、自分のテープレコーダーから、この消去する部品を外して、
多重録音ができるように改造した。
前の録音が残った上に次の録音が重なる。

こうして、一人でラジオ番組みたいなものを作っていた。
音楽ありおしゃべりあり効果音あり。
そんなカセットを聞かせてくれたことがあった。

そういえば、一緒に何かの音を録音しに出かけたこともあったような気がする。
犬の吠え声とか、車の音とか、何かそういった音。

就職してどこやらに移り住み、奴が突然訪ねて来ることがなくなって、久しい。
ちょっとつまらん。
今はどんなことにこっているだろう。

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