庭のタラの木の芽が目立ち始めた。
節ごとに切って活けて芽を「ふかせ」る作業をそろそろするか。
まだまだだと思っていた枝垂れ梅が、昨日の陽気で一気に開いた。
鳥たちは梅の花が好きだ。
ヒヨドリはつぼみがゆるむ頃から来て、食ってしまう。
黒い枝に糞の跡が白く付く。
ヤゴがつかまりやすいように、池に木材を斜めに沈めてある。
そこに停まって、鳥が水浴びしに毎朝来る。
頭をくぐらせて全身に水を浴び、梅の枝に移動してから
脇の下だのなんだのをつついたり、嘴を枝で磨いたり、忙しそうだ。
薪を切っていると、木の皮の内側や木の中に、いろんな幼虫がいる。
全部を火にくべてしまってはいけないと思い、
あんまり朽ちた木は庭にうっちゃって、虫の好きなようにさせる。
家の壁にはトックリバチなどの巣が付いている。
中ではそろそろ卵が孵って、母親が準備したイモムシの気絶したのを
むさぼり始めている頃だろうか。
地面ではいつの間にか雑草がすっかり育ち、花を付けている。
ストーブで燃やした灰を撒くと、アルカリ性を嫌う草は
ヒョロヒョロにしか育たない。
冬の間、水底でじっとしていた鯉が、ずいぶん動くようになってきた。
※
庭のことをやっていると、つくづく、ここだけでは足りない、と思う。
極端なことを言えば、例えばマンションのベランダで鉢植えを楽しむ人は、
まず土を購入しなければならない。
この庭ではこの庭なりに、ここだけでは完結しない。
友達で、野菜作りの趣味が嵩じて、空家になった農家を少しの農地とともに
買った人がいる。
けれど、やればやるほど、それだけではいろいろ足りないことに気付くのでは
ないかと思っている。
里山で農業をやるアイドル番組があるくらいだから、よく知られている
かもしれないが、農業は生き物の仕組みと密接で、人の生活が
環境の中で循環している。
山で落ち葉を集め、それを堆肥にして、作物を育て、
菜っ葉のくずや藁で家畜を育て、その糞も肥料にして、作物を育てる。
谷の奥から水がわき、田畑をうるおし、流れの中には虫が育ち、
虫は花粉を運び、虫を食って鳥が育ち、別の鳥は木の実を食べて木々を殖やす。
雑木林のクヌギなどはシイタケを育てるホダ木になる。
竹は重宝だし、タケノコが採れる。
動物たちも種を運ぶ。土を肥やす。
※
どこかだけをつまんでやろうとすると、足りないものが出てくる。
作物だけ作ろうと思うと、化学肥料が必要になったりする。
便利だけ考えると、歪みが出る。
風土の中で、全体の一部としての暮らしがなんと満ち足りていることか。
と、いろいろ足りない小さな庭での生活で気付く。
ずっと、私の欲しい物は、裏山。
近所にはそんな環境もある…(都有地だけど)
裏山が欲しい。
略して
うらやましい~
節ごとに切って活けて芽を「ふかせ」る作業をそろそろするか。
まだまだだと思っていた枝垂れ梅が、昨日の陽気で一気に開いた。
鳥たちは梅の花が好きだ。
ヒヨドリはつぼみがゆるむ頃から来て、食ってしまう。
黒い枝に糞の跡が白く付く。
ヤゴがつかまりやすいように、池に木材を斜めに沈めてある。
そこに停まって、鳥が水浴びしに毎朝来る。
頭をくぐらせて全身に水を浴び、梅の枝に移動してから
脇の下だのなんだのをつついたり、嘴を枝で磨いたり、忙しそうだ。
薪を切っていると、木の皮の内側や木の中に、いろんな幼虫がいる。
全部を火にくべてしまってはいけないと思い、
あんまり朽ちた木は庭にうっちゃって、虫の好きなようにさせる。
家の壁にはトックリバチなどの巣が付いている。
中ではそろそろ卵が孵って、母親が準備したイモムシの気絶したのを
むさぼり始めている頃だろうか。
地面ではいつの間にか雑草がすっかり育ち、花を付けている。
ストーブで燃やした灰を撒くと、アルカリ性を嫌う草は
ヒョロヒョロにしか育たない。
冬の間、水底でじっとしていた鯉が、ずいぶん動くようになってきた。
※
庭のことをやっていると、つくづく、ここだけでは足りない、と思う。
極端なことを言えば、例えばマンションのベランダで鉢植えを楽しむ人は、
まず土を購入しなければならない。
この庭ではこの庭なりに、ここだけでは完結しない。
友達で、野菜作りの趣味が嵩じて、空家になった農家を少しの農地とともに
買った人がいる。
けれど、やればやるほど、それだけではいろいろ足りないことに気付くのでは
ないかと思っている。
里山で農業をやるアイドル番組があるくらいだから、よく知られている
かもしれないが、農業は生き物の仕組みと密接で、人の生活が
環境の中で循環している。
山で落ち葉を集め、それを堆肥にして、作物を育て、
菜っ葉のくずや藁で家畜を育て、その糞も肥料にして、作物を育てる。
谷の奥から水がわき、田畑をうるおし、流れの中には虫が育ち、
虫は花粉を運び、虫を食って鳥が育ち、別の鳥は木の実を食べて木々を殖やす。
雑木林のクヌギなどはシイタケを育てるホダ木になる。
竹は重宝だし、タケノコが採れる。
動物たちも種を運ぶ。土を肥やす。
※
どこかだけをつまんでやろうとすると、足りないものが出てくる。
作物だけ作ろうと思うと、化学肥料が必要になったりする。
便利だけ考えると、歪みが出る。
風土の中で、全体の一部としての暮らしがなんと満ち足りていることか。
と、いろいろ足りない小さな庭での生活で気付く。
ずっと、私の欲しい物は、裏山。
近所にはそんな環境もある…(都有地だけど)
裏山が欲しい。
略して
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