犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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わたしの物欲

2013年03月07日 | 椰子の実の中
庭のタラの木の芽が目立ち始めた。
節ごとに切って活けて芽を「ふかせ」る作業をそろそろするか。

まだまだだと思っていた枝垂れ梅が、昨日の陽気で一気に開いた。
鳥たちは梅の花が好きだ。
ヒヨドリはつぼみがゆるむ頃から来て、食ってしまう。
黒い枝に糞の跡が白く付く。

ヤゴがつかまりやすいように、池に木材を斜めに沈めてある。
そこに停まって、鳥が水浴びしに毎朝来る。
頭をくぐらせて全身に水を浴び、梅の枝に移動してから
脇の下だのなんだのをつついたり、嘴を枝で磨いたり、忙しそうだ。

薪を切っていると、木の皮の内側や木の中に、いろんな幼虫がいる。
全部を火にくべてしまってはいけないと思い、
あんまり朽ちた木は庭にうっちゃって、虫の好きなようにさせる。

家の壁にはトックリバチなどの巣が付いている。
中ではそろそろ卵が孵って、母親が準備したイモムシの気絶したのを
むさぼり始めている頃だろうか。

地面ではいつの間にか雑草がすっかり育ち、花を付けている。
ストーブで燃やした灰を撒くと、アルカリ性を嫌う草は
ヒョロヒョロにしか育たない。

冬の間、水底でじっとしていた鯉が、ずいぶん動くようになってきた。



庭のことをやっていると、つくづく、ここだけでは足りない、と思う。
極端なことを言えば、例えばマンションのベランダで鉢植えを楽しむ人は、
まず土を購入しなければならない。
この庭ではこの庭なりに、ここだけでは完結しない。

友達で、野菜作りの趣味が嵩じて、空家になった農家を少しの農地とともに
買った人がいる。
けれど、やればやるほど、それだけではいろいろ足りないことに気付くのでは
ないかと思っている。

里山で農業をやるアイドル番組があるくらいだから、よく知られている
かもしれないが、農業は生き物の仕組みと密接で、人の生活が
環境の中で循環している。

山で落ち葉を集め、それを堆肥にして、作物を育て、
菜っ葉のくずや藁で家畜を育て、その糞も肥料にして、作物を育てる。
谷の奥から水がわき、田畑をうるおし、流れの中には虫が育ち、
虫は花粉を運び、虫を食って鳥が育ち、別の鳥は木の実を食べて木々を殖やす。
雑木林のクヌギなどはシイタケを育てるホダ木になる。
竹は重宝だし、タケノコが採れる。
動物たちも種を運ぶ。土を肥やす。



どこかだけをつまんでやろうとすると、足りないものが出てくる。
作物だけ作ろうと思うと、化学肥料が必要になったりする。
便利だけ考えると、歪みが出る。

風土の中で、全体の一部としての暮らしがなんと満ち足りていることか。

と、いろいろ足りない小さな庭での生活で気付く。
ずっと、私の欲しい物は、裏山。
近所にはそんな環境もある…(都有地だけど)
裏山が欲しい。
略して
うらやましい~

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