老母81歳は、毎日くっきりした夢を見ると言う。
その夢に、毎日おかあさまが出てくるのだそうな。
母のおかあさま、私のばあばは、75歳で亡くなっている。
母は44歳、私は8歳だった。
晩年はノイローゼだった。
今ならうつ病という診断になったのかもしれない。
最期の年に、大阪の伯母の家のばあばに会って、
家に帰って来てから、私は泣いたのを憶えている。
ばあばじゃない。ばあばじゃない。
いつものような、楽しい時間ではなかったのだろう。
東京に帰ってきて、玄関に入ったところで泣くなんて、いじらしい。
母は軽いパーキンソン病があり、動きが遅い、というのが
本人はひどく気に病んでいる。
緊張するほどに症状は強く出るものなので、気に病んだり
焦ったりするとかえってよろしくない。
しかし、くよくよ考える性格なので、悪循環にはまる。
何かの時間が迫ってくると、
母親ゆずりの、広いのんびりした眉間だというのに、(私も受け継いでいる)
そんな眉間に皺を寄せ、目はもう周りを見ていない。
そんなに慌てる必要は無い、いっぺん深呼吸して、顔の力抜いて。
言っても、もともと呼吸が浅い。深呼吸がへたくそだ。
「おかあさまに、そんなに怖い顔しないで、って言ってたのを
思い出したわ。」と言う。
いつ頃かたずねたら、晩年だという。
幼い私は、そうは言えなかったのだろう。
ただ怖く、さびしかったのか。
母もさびしかったろう。
母をおもう、すべての子へ
https://www.youtube.com/watch?v=esGn0F6EedU
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