犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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死にゃあしない

2016年11月11日 | 椰子の実の中
今週は禁句として「死ね」「死ぬ」「死にたい」を連続で扱ってきた。
毎日のように、ワープロで「死」の字に変換を連発していると、
なんだかゲンナリしてくる。
読むほうもたまったもんではなかっただろう。
いったい何人くらい生き残っただろうか。

お口直しに、友人の名言を。

その友人の一人娘は生まれつき難聴だ。

難聴というのは、耳だけの問題にとどまらない。
言葉を聞きおぼえる、ということが難しい。
言語は人と人との関わりや、思考や、文化を支えている。
現代の人間社会に生きる基盤となる。

ごく幼いうちに何か手を打ちたい。
不安な時に、夫は転勤。
自分ひとりで対応しなければならない。

めぐりめぐって行った病院で良い医師と出会い、
人工内耳を使うことによって、活路は開ける。
しかしそこでも、まだほんの幼い子どもに大きい手術を
何度も受けさせることへの迷いと闘う。

そんな中、彼女が絞り出した言葉が「死にゃあしない」だ。

良くないことが起きることを予想して、それが連鎖していくと、
気分は落ちるところまで落ちる。
お先真っ暗に見える。
たとえ真っ暗のどん底にいても、「今すぐ死ぬわけじゃない」と思い直してみる。

ひとり苦しんだ人でこそ言える、力のこもった言葉だと思う。

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