犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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タンバリンさん

2013年12月25日 | なりもの
以前・・・10年以上前に参加していた、20年近い付き合いのバンドが
やっと録音して4曲入りのCDを作ったという。
おまけに、私がいた頃から叩いていたドラムの人が、やめるというのだ。
子どもが学校を出るまで、ドラマー業を引くという。

私も数年前にいろんなバンドをやめて、鍼灸学校に入り、資格を取り、
子どもを育てることを選んだ。
私のバヤイ、結局家庭は失敗しちゃって、手に職だけ残った今、
音楽の虫がわっさわさと騒いでいるところだ。

やめるのなら最後にもう一度一緒に演奏しておきたい。
今年は3月に別のバンドで久々に一緒にやったのだが、
できればここのバンドでやりたいと思った。
リーダーにお願いしてみた。

断られた。当然だ。
プログラムはできあがっている。
レコーディングを経て、バンドも演奏も形ができている。
割り込む隙は無い。

と、納得していたら数十分後にまた電話が鳴った。
「す~さん、吹いて」
アンコールにねじ込んでくれると言う。
ありがたい。

曲はスライ&ザ・ファミリーストーンの「Thank you for lettin' me be myself」。
自分らしくやらせてくれてありがとう。だって。
なんて今の状況にぴったりなんだ。
それに、この曲は20代にやっていたバンドで繰り返し演奏して、体にしみついている。



トロンボーンを吹く合間に、タンバリンを叩いたものだ。
ソウルだファンクだという、アフロアメリカンの音楽でタンバリンというと
教会のゴスペルタンバリンの雰囲気がある。

フツウ、タンバリンをシャカシャカと鳴らすには、
手首を内外に振るが、ゴスペルの人たちは手首を回して振る。
これが、できない。

回して鳴らしながら、上下に斜めに皮を叩いてリズムを出す。
10年以上前、これを練習したが、ちっともできるようにならなかった。
どうせなら、こいつをやりたい。

せっせと演奏活動をしていたあの頃にできなかった事のうち、
なにかひとつでもできるようになったら、今も意味があるというもんだ。
でもまず皮タンバリンを買わなきゃ。



15年くらい前。
あるステージで、タンバリンの皮を破いてしまった。
他のバンドのパーカッションの人に言われた。

「こっちの気持ちで叩き過ぎなんだ。
語り合わなきゃ。
恋愛と同じだよ。」

つまらん喩えをするエロおやじだわい。
しかし、言っていることはそのとおりだ。
皮のはずみに手を合わせなければ、破けるのは当たり前だ。



久しぶりに叩くタンバリンだ。
力みが入って皮を破いてしまうだろうと思った。
本皮のタンバリンは高価だ。7000円くらいする。
破くには惜しい。

探しに探すと、なんと1600円の本皮タンバリンがあった。
これなら気楽に練習できる。
パンパン叩いた。
一週間で破けた。

同じ物を、もう2つ買った。
破れて練習できない日が空いてしまうのがいやだから。
友達に事の次第を話しながら箱を開け、叩いた。
数発叩いて、破れた。

目撃した友達も、驚きあきれた。
こんなにもろい物なの?
破れた皮を並べてみると、明らかに厚さというか薄さが違った。
2個目の皮は、スケスケだった。

同じ商品である。
しかし、安物。
品質に大きくムラがあるというわけだ。
ところが、はずればかりでもない、というところがクセモノ。

3個目の皮は、もった。
当たりだ。
しかし本番2日前になって、ふと焦った。
本番も破れずにとおせるだろうか??

練習はいい。
破らないように、と叩き方を工夫することは、
音色をコントロールすることにもなって、練習になった。
しかし、本番にいつもの叩き方で叩けるだろうか。



リハーサルを終え、オープニングアクトの一曲に
タンバリンで参加させてもらうことを決めた。
オープニングアクトもフロアで叩いて、無事にいった。

まだ安心していなかった。
ステージで、アンコールで、大音量のバンドの中で叩いて、
力むのではないか。

アンコール。
曲が始まって、呼び込んでもらって、スタンドにトロンボーンを置いて、
タンバリンをひと叩き!

・・・
破れた。

サイナラ



2013年12月20日、Ebony-Bレコ発ライブ、オープニングアクトは
能條陽一郎の弾き語りで、エレキギターはFREEFUNK艦長桜谷。
ムッシュかまやつさんの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」から
「Ebony-Bを聴いたことがあるかい」へ。
途中から入ってくるのが、皮のまだ破れていない私のタンバリンです。
聴いてね~
http://youtu.be/DrUKEAWA4vs

写真は、上から2個目、1個目、3個目。皮の薄い順。

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