犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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目は自分で開けるもんだよ

2017年04月13日 | からだ
先に断っておこう。
最後に書いて最後まで読まない人がいると困るので。
以下は、私の母の例を挙げて、自分の体の状態と向き合うことについて述べているのであって、
複視や眼瞼下垂に対する手術が無効だと言っているのではない。



母は、若い頃から斜視があった。
常に斜視なのではなく、ぼんやりと気を抜くと、片方の目がすうっとそっぽへ向くのだ。
本人はロンパリという言葉をつかった。
ロンドンとパリを同時に睨む、という俗語だ。
今では差別用語ということになるのだろう。

見え方としては、物がダブって見える複視という状態になっていた。
ただ、斜視が必ず複視を伴うわけでもない。ここがひとつのポイントでもある。

母の場合、左目が外へ向くので、これは左の目を内側に向ける筋肉が外側に向ける筋肉に
負けているからだ。
複視を改善する可能性のある方法のひとつの選択肢として、手術を受けることにした。
左目を内側に向ける筋肉をいっぺんちょん切って、
もっと短く引っ張れる位置に縫い付け直すのだ。

「手術して多少は良くっても、しばらくするとまた元に戻っちゃうと思うよ。」
市内に眼科のオペの名医がいる。
先生はよく通るでかい声でわかりやすくきちんと説明する。

なるほど、斜視は無くなった。
複視はマシになったように感じたが、わりとすぐに戻ってしまった。
そう、都合良くはいかないようだ。



今度は、「目が開かない」と言い出した。
開かないことはない。
開けるのがけっこうたいへんなようだ。

「まぶたを開ける筋肉の力が弱ってんの。
自分でね、毎日体操するんだよ、壁を見て、天井のほうを見るの。」
先生はよく通るでかい声でわかりやすくきちんと指導する。

母は、手術を選択した。
「これも、手術したら多少は良くなるかもしれないけど、
時間が経ったらまたたるんできちゃうよ。」

まぶたを上げる筋肉をいっぺんちょん切って、
もっと短く引っ張れるように縫い合わせ直した。
手術してしばらくはマシになったが、数ヶ月、半年、一年、
と時間が経つと、元のように開けにくくなっていった。



「もう一度手術したいんならしてもいいけどね、
でもしばらくしたらまた元に戻っちゃうよ。」
先生の説明どおりで、手術したらすっきり治るなんてことが無いのは、
もうさすがに分かっている。

「目は自分で開けるんだよ。」

先生はあなたと同じことを言う。と、母は私にブツブツ言う。
私に言われても納得できないのだが、医師に言われたら従わないわけにいかないようだ。
聞く耳持たない人にものを言うことに、私はもう疲れきってしまったな。
自力で目を開けずにいたら目は開かなくなってくる。
聞く耳持たずにいたら、いつか、ひとの話が聞こえなくなってしまうよ。

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