[あらまし] 母85歳パーキンソン病要介護2認知症状少々。
同居。
いくつになっても我が子は子ども。
そうでしょうねえ。
既に10年くらい前に、母は「思い出に生きる。」と言い切っていた。
今現在の現実の中に生活するより、美しいとこどりの思い出を糧に
暮らしているほうが、楽しいのか。
美しい思い出を持っているのは、幸せなことだ。
いくつになっても我が子は子ども。
今でも時々、なんと言おうか、叱 . . . 本文を読む
[あらまし] 母85歳パーキンソン病要介護2認知症状少々。
近所の介護経験者たちが、口を揃えて言う。
「寝たきりになったら、楽よ。」
訪問看護の看護師さんも言う。
「介護者ペースになったら、楽になります。」
パーキンソン病は命に直接関わらない。
つまりは長生きする。
進行すると動けなくなる。
ただ、どうやら進行するタイプとあまり進行しないタイプの患者さんがいるらしい。
母は後者である。
つま . . . 本文を読む
いつもの図書館の玄関の正面が、おかしなことになっている。
青い布を敷いて、海ができている。
中にはマグロがたくさん泳いでいる。
わきには釣り竿が立ててある。
釣り糸の先には仕掛けとして、磁石が付けてある。
マグロの口には、ゼムクリップが付けてある。
マグロの胴体には、本の紹介が短く書いてある。
いや、マグロではなく、本マグロなのだ。
釣った本マグロの本を貸し出してくれる、という趣向だ。
子 . . . 本文を読む
[あらすじ] 母85歳パーキンソン病要介護2。
夜中はパーキンソン病の薬が切れていて、身体の動きが悪いうえ、
就寝前にのむ他の薬の副作用でふらつきも出るので、
転倒の危険が高まる。
だから、夜中に目が覚めても、立ち働いてはいけないし、
用便はベッドサイドのポータブルトイレで済ます。
という取り決めなのだが、
夜更けに起き出して、台所で何かしている。
ということがしばしば有る。
さて、そんな折 . . . 本文を読む
母85歳パーキンソン病ちょっと認知に混乱あり。
一日三回、定期巡回介護を受けている。
パーキンソン病のため、一日に六回服薬する。
しかし、服薬時間や確実な服薬など、自己管理は困難になっている。
「のんだ」と本人が言っても、現に薬が残っていることもある。
逆に、「のんでない」と本人が言っても、
薬が無くなっていることもある。
「不思議ね」と本人は言う。
薬が勝手に消えたり現れたりすれば不思議だが、 . . . 本文を読む
玄関に、母85歳パーキンソン病のために、手すりが必要だ。
そういった住宅改修は、介護保険を利用できる。
数年前に要支援の認定を受けた時に、
ケアマネさんがまず最初に進めてくれた。
「もうすぐ必要になるから」と、
家のあちこちに手すりを付けた。
その後、要介護1の頃に、
湯船の出入りが危ないので、
浴槽の縁にがっちりと取り付けられる手すりを購入した。
風呂の中の器具だからか、レンタルは無く、購入だ . . . 本文を読む
昨夜から寒風が吹き、一気に冷えた。
そんな中、車の窓を開けて走った。
涙が出る。鼻水が出る。
※
一昨日、水道のA葉書が入っていた。
漏水の疑いが有るから調べて修繕して料金の減免を申請しなよ、
という親切なお知らせだ。
水道検針員をやっていたので、
葉書が目に入っただけで、何事か分かる。
分かるのはいいが、どこから漏れているかは、分からない。
心当たりが無い。
いや、もしかすると風呂場の . . . 本文を読む
都内某所のコインパーキング。
最大料金の設定が有るから、便利で使っていたが、
最近、料金体系が変わってしまった。
夜間は最大料金が有るが、日中は無い。
私が利用するのは日中なので、これは困る。
別の所を探そう。
※
いい所が見つからない。
今日はあまり長時間ではないし、現場に近い所に停めた。
料金を支払って、出ようと思ったが、
車止めのフラップ板が下がっていない。
いや、さっき支払った時にウイ . . . 本文を読む
車で移動すると、コインパーキングを利用することになる。
時間極めのコインパーキングは、それぞれの価格設定がややこしい。
20分毎100円と、40分毎200円が隣り合っていたりする。
1時間半ほど停める場合、どちらが徳なのか。
迷っている暇は無い。
40分毎300円と、25分毎200円と、最初の一時間は500円その後30分毎200円
なんてのが近接していたら、2時間半停める場合、どこが徳なのか。 . . . 本文を読む
[あらすじ] 笛は、笛自体の仕組みで対流ができて音が鳴る。
リードが振動して鳴る物も有る。
ラッパとは、唇を振動させて音を出す。
角笛は笛と名乗ってはいるが、唇を振動させるので、笛じゃない。
ネットオークションで落札した角笛が届いてみたら、
しかし、それはリードが仕込まれた物だった。
ちぇっ!
と、書いたものの、
角笛にはもしかして二種類有るんじゃないか、という気がしていた。
唇を振動させるの . . . 本文を読む
今年のはじめに香典返しで洗剤を貰ったので、
以来、その大きなボトルに大きな袋から詰め替えて使っている。
母の身体の動きが悪くなり、思考の混乱や判断間違い、転倒などが有り、
生活面で具体的に言えば、洗濯物が増えた。
そんな折に、洗剤を貰ったのは至極単純に嬉しかった。
※
何でも仕舞い込む。
母は、買い置きしたサプライ品も、
段ボール箱に入れて押入れに仕舞い込む。
箱には特に表書きするでもない。
. . . 本文を読む
大沢に口裂け女が出た。
という噂が流れた。
小学生の頃、40年ほど前の話だ。
大沢とは、隣町だ。
自分の町だと嘘が過ぎる。
隣町だと本当かもしれない、ということになる。
※
道で、髪の長い女が
「あたしきれい?」と聞いてきて、
きれいですとかなんとか答えると、
「これでもかー!」とマスクを外す。
すると耳元まで口が裂けている。
これに、
コートを着ているとか、
ものすごいスピードで追い駆け . . . 本文を読む
十年あまり前のちょうど今頃の季節に思い立って、
鍼灸の道に進んだ。
左門町にある専門学校に三年通った。
私たちは4期生だった。
専門学校に大学院大学を併設していた。
学長が、理想を持っていた。
鍼灸の専門学校にしては、珍しい教育をしていた。
倫理や国語や社会といった基礎科目の授業があった。
在学中から臨床に立って実習できた。
論文を読む授業もあり、卒業論文も書いた。
医大に行って、ご遺体の解剖 . . . 本文を読む
角笛をネットオークションで買って、
届いてみたら笛だったのでガッカリしている。
※
角笛は笛と言うけれど、本当は角ラッパだ。
笛というのは、息を吹き込めば鳴るように、
楽器の仕組みができている。
仕組みにはいくつかの種類が有る。
フルートや尺八やお囃子の笛のように、
うまい角度で息を吹き込むことによって対流を起こして鳴るもの。
リコーダーやホイッスルやうぐいす笛のように、
吹き口のところに対 . . . 本文を読む
昨日は毎月一日の法螺の日でしたが、
法螺と言うより、ゴマカシ?
※
飼い犬ジーロの頭の上に、何かお飾りを載せることにしたのは、
友人Mが編みぐるみで鏡餅を作ってくれたのがきっかけだった。
それ以来、偶数月は私、奇数月は友人Mということにして続けてきた。
11月終わりが迫ってMにメールしてみると、
「急ぎの仕事が入った!
まだ食材を仕込んでもいないよーー」との返事。
実を言えば、11月中に . . . 本文を読む