旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

東北ドライブ 盛駅

2011-11-13 00:00:00 | ドライブ


野蒜を後にして、国道45号を石巻に向かう。途中、航空自衛隊松島基地の近くを通る。ブルーインパルス(第4航空団第11飛行隊)の所属するこの基地も、大津波で被災している。車の流れが悪くなってきた。東松島市より石巻市に入る。国道45号を離れ、日和大橋を目指す。途中、日本製紙の工場を見る。石巻にも日本製紙があったのか。工場を過ぎると、更地のようになっている場所に出た。建物は取り壊され、瓦礫が撤去されたのであろう。前方の旧北上川の対岸に、長城のように瓦礫の山がうずたかく積み上げられている。旧北上川に架かる日和大橋を渡っていると、報道関係の人なのか、瓦礫の方を歩道からカメラを回している。橋を渡り終えると、中央分離帯に巨大な鯨の大和煮の缶詰の看板が転がっている。現実とは思えない風景が次々と現れる。国道45号に戻り、石巻市街を離れる。

石巻河南ICより通行料無料の三陸自動車道(矢本石巻道路)に流入するつもりだったが、道を誤り、暫く一般道を走る。道の駅「上品の郷」で休憩。駐車場所を探して、駐車場内を一巡する。休日のお昼時だからか、利用客は多い。規模の大きな施設で、コンビニエンスストアも設けられている。野蒜と石巻の様子を見たあとで、あまり食欲もないが、おにぎり一個とおかずがちょこっと入った弁当を買ってきて、車内に戻って食べる。おにぎりには仙台味噌がたっぷり塗られており、おかずには笹かまぼこも入っており、宮城県らしい。河北ICより三陸自動車道に流入する。この路線は仙台方面から鳴瀬奥松島ICまでが有料で、その先は無料区間である。往復2車線だが、快走する。石巻市より登米市に入る。黄金色の田んぼの中を道は伸びる。内陸部には穏やかな風景が広がる。登米東和ICで終点となる。この先は志津川IC(仮称)までが事業中である。国道398号で沿岸部の志津川へ。トンネルを抜け登米市より、南三陸町に入る。移動式のコンビニエンスストアがある。ボランティアの人々も見掛ける。海岸が近づくと、長閑な風景は一変した。志津川の中心部は、建物が基礎だけになっている。今日見た中で一番恐ろしく感じた。

ここで国道45号に戻る。道路は坂を上る。町は高い場所に非難しているようである。集落は沿岸部にある。道路は坂を下り、津波被害を受けた集落へ。これの繰り返しとなる。気仙沼線は橋梁が落ちており、トンネルだけが口を開けている。旧志津川町と合併した、旧歌津町の中心部は鉄道ばかりでなく、国道も通行できなくなっており、並行する旧道に迂回する。南三陸町から気仙沼市に入る。カーナビの地図には鉄道を示す旗竿があるから位置が分かるが、走る車から外を見ているだけでは、鉄道があったのか分からない場所もある。気仙沼市中心部はバイパスで通過する。ここも被害が大きかった街だが、バイパスからその様子は見えない。三陸自動車道(無料区間)も一部整備されており、国道が急に高速道路になったりする。宮城県気仙沼市より、岩手県陸前高田市に入る。震災の日、陸前高田市の被害をニュースで聞いて、驚愕したのを覚えている。その後も驚愕するニュースばかりだが。仮橋の気仙大橋を渡り、報道で有名なあの松の所へ。


陸前高田の一本松 (岩手県陸前高田市気仙町)


多くの人が訪れていた…


ここに高田松原があったのだが…

松林は大津波にのみこまれ、あたりは大地震で地盤沈下している。


高田松原野外活動センター (岩手県陸前高田市気仙町字砂盛)


陸前高田ユースホステル (岩手県陸前高田市気仙町字砂盛)






松の木の根元にはお地蔵様が! 合掌


この日も作業が続けられている!


施設名不詳 (岩手県陸前高田市気仙町)


建物の基礎のみが残る!


大きな水溜りとなっている!


国道45号高田バイパス

高田の街を後にする。三陸自動車道(無料区間)となり、陸前高田市より大船渡市へ。折角の立派な道路だが、大船渡市街地に立ち寄るため、次の大船渡碁石海岸ICで流出する。一般道の国道45号に戻る。大船渡市も海抜の低いところは、津波被害で建物の基礎だけとなっている。大船渡線も通っているはずだが。さて、大船渡市で訪れたかったのは、まずこちら。


三陸菓匠さいとう 仮本店 (岩手県大船渡市大船渡町富沢

さいとう製菓さんは、総本店や和菓子工場など津波で被災されたそうだが、翌月には仮本店を開店されている。7月に盛岡で買ったかもめの玉子が美味しかったので、それを少し小ぶりにしたミニかもめの玉子をお土産に買ってゆく。


東日本旅客鉄道 大船渡線 盛駅 (岩手県大船渡市盛町字東町裏

次に訪れたのが盛駅。以前、仙台から快速〔南三陸〕(東北本線・石巻線・気仙沼線経由)、大船渡線を乗り継いで盛まで来ている。今日はその路線の被災状況も目にしてきたから辛い。気仙沼以北の大船渡線は不通で、盛駅にも列車は来ないが、駅の窓口は開いている。


構内をちょっとのぞいてみる! (盛)


三陸鉄道 南リアス線 盛駅 (岩手県大船渡市盛町字東町裏)
いずれも平成23年9月24日撮影

接続する三陸鉄道の盛駅。南リアス線も不通となっている。まだ南リアス線には乗った事が無い。JRの駅舎の前には三陸鉄道の方?がワゴンを出して、鉄道グッズ等を販売していた。申し訳程度であるが、盛駅のキーホルダーを購入する。「再開したら乗りに来ますので、がんばってください」と声を掛けて、盛駅を後にした。盛駅周辺は以前と変わってないように見える。前に盛駅を訪れた時に昼食をとった中華料理屋さんも営業しているようだった。国道45号を離れ、盛川に沿った国道107号へ。岩手開発鉄道日頃市線も沿っている。石灰石を輸送する貨物列車が走るが、平成4年までは旅客列車も走っていた。今は震災で運休しているが、11月の復旧を目指しているそう。海岸部を離れると、長閑な風景となる。国道186号でも走っている気がするが、先にあるのは旧吉和村ではなく、新幹線も止まる岩手県内陸部にある各都市である。トンネルを抜け、大船渡市から住田町へ。ここは気仙川水系で、河口を気仙大橋で渡っている。峠を越えて住田町から遠野市へ。ここは北上川水系である。猿ヶ石川を渡り、釜石方面の国道283号と合流。花巻線の線路も見える。北上方面を目指す国道107号が別れてゆき、花巻線に沿う国道283号を走る。

ラジオで大相撲中継を聞いているが、やはりテレビで観戦したい。盛からは休憩もせず、予約してある盛岡のホテルを目指す。高速道路の釜石自動車道は東和ICまで開通している。旧東和町である。全国の東和町で親交を深めていたそうだが、ここ岩手県和賀郡東和町は花巻市に、お昼過ぎに通った登米東和ICの場所にあった宮城県登米郡東和町は登米市に、福島県安達郡東和町は二本松市になった。最も馴染みのある山口県大島郡東和町は大島郡周防大島町となり、全国から東和町という町は消えてしまった。遠野市より東和町改め花巻市に入る。東和ICより釜石自動車道に流入。往復2車線で、遅い車がいるが抜けない。花巻空港TBをETCレーンで通過。花巻JCTより東北自動車道に入る。線形はよく、法廷速度100km/hである。花巻市より紫波町、矢巾町を経て盛岡市へ。盛岡南ICで流出する車両で路肩に列が出来ている。高速道路無料措置となる車両は一般レーンで係員が書類を確認する必要がある。出口渋滞に巻き込まれると嫌だなと思ったが、盛岡ICで流出したところ、一般レーンの列は短く、ETCレーンまで止まる事なく通過出来た。しかし盛岡ICから市街地に向かう国道46号が渋滞している。しかし商業施設等が集まる付近を通過すると流れもよくなり、無事に盛岡駅近くのホテルに到着した。 (つづく)


※灰色は不通区間を示す
(仙石線高城町-矢本間、石巻線石巻-女川間、気仙沼線柳津-気仙沼間、大船渡線気仙沼-盛間、南リアス線全線)