旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

関電トンネルトロリーバス

2018-09-16 18:00:00 | 鉄道

JR東日本 大糸線 穂高駅 (長野県安曇野市穂高)

近年、安曇野市という名前を耳にするようになったが、平成17年に長野県南安曇郡豊科町・穂高町・三郷村・堀金村及び東筑摩郡明科町の5町が合併して誕生した新しい市である。この時に南安曇郡は無くなっている。堀金村は安曇野市になっていたのか。昔、深夜のラジオ番組でその名に記憶がある。穂高駅は旧穂高町にある。


駅頭の様子!

18きっぷが1回分残っている。実は3回分残っていたのだが、2回分を買い取って貰ったので、5回目のところに今日の日付のハンコを貰う事が出来た。


プラットフォームより駅裏を望む!

雨は止んだが、北アルプスが見えない。


JR東日本 大糸線 普通 3226M列車 [211系N308編成] (穂高)

先に松本行の上り列車が入ってきた。駅にいた大半の客はこちらに乗り込む。


JR東日本 大糸線 普通 3227M列車 [211系N338編成] (穂高)

後から信濃大町行の下り列車が入ってきた。当駅で上下列車が交換する。


クモハ211-3039

狭小断面トンネルのある中央本線高尾-南木曽間に入線可能なパンタグラフを搭載している車両には、車両番号の前に ◆ の表示があるそう。信越本線横川-軽井沢間(平成9年廃止)での 🔴 の表示のようなものか。


metro 大糸線で穂高を出発symbol6




車窓の稲穂 (北細野-信濃松川)

車内は空いている。地元の人と観光客が乗っている。西洋人の姿も見える。話しているのは英語ではなく、ロマンス諸語のいずれかと思うがよく判らない。天気は悪くて、北アルプスは見えないが、霧もやの車窓を写真に撮ったりしている。


JR東日本 大糸線 普通 3227M列車 [211系N338編成] (信濃常盤)

交換で4分停車するのでプラットフォームに降りてみる。また少し雨が降っている。後から松本行の上り列車が入ってきた。上下線のプラットフォームは分かれており、いわゆる構内踏切で連絡している。一人の客が駅舎のある向かいのプラットフォームを歩いている。松本行ではなく、信濃大町行に乗りたいらしい。構内踏切を渡る必要があるが、松本行の出発が迫り、踏切は閉鎖されていると思われる。松本行の列車が警笛を鳴らす。無理に踏切を渡ったのだろう。信濃大町行の車掌にも注意されたのだろう。車内に入って来た客は一人で散々文句を言っている。少しお酒が入っているようだ。いくら文句を言っても、近くにいる西洋人には判らないだろうし、とんだ駆け込み乗車に他の日本人も知らん顔している。しかし、朝の静寂な列車の雰囲気を大いに損ねてしまう。


JR東日本 大糸線 普通 3227M列車 [211系N338編成] (信濃大町)

列車は終着の信濃大町に到着。ここで下車する。

大糸線 普通 3227M 穂高(8:18)→信濃大町(8:51) クモハ211-3039 ※参考 運賃320円


metro 大糸線で信濃大町に到着symbol6


改札口と出札口

みどりの窓口あります。


JR東日本 大糸線 信濃大町駅 (長野県大町市大町)



旧国名の信濃が付くのは佐世保線大町駅との重複を避ける為か。平成6年開業の可部線大町駅は重複している。大糸線の路線名は信濃町と魚川を結ぶ事から付けられたが、私鉄の信濃鉄道(しなの鉄道とは別会社)として開業していた松本-信濃大町間も含めて大糸線となっている。


駅頭の様子!




アルピコ交通 扇沢線 (信濃大町駅)

信濃大町と言えばアルペンルートの東側の入口という認識だったが、東京からは北陸新幹線長野駅で乗り換え、特急バスで行くのが時間的に早いようである。駅の黒部ダムのポスターにも案内されていた。それでも大町から入らなければならない。18きっぷだし。


バス往復乗車券 信濃大町駅-扇沢駅(2,500円・往復割引)

駅を出て左側に扇沢行きのバス乗り場と切符売り場がある。運賃は往復の方が少し安くなる。また往復乗車券は車内では発売しないので、切符売り場で予め購入されたし。車内は空いている。外国人旅行者を何組も見掛ける。先程の西洋人はもちろん、中国語も聞こえてくる。切符売り場の方々に見送られ、バスは定刻に発車。駅前の通りを走る。思いの外、大きな街である。大町と言うくらいだから。市街地を抜け、長閑な道を行く。雨は強くなっている。途中の温泉街から何組か乗って来て乗客が増えてきた。バスは山間に入って行き、砂防ダムなどを見て終着の扇沢駅に到着した。

扇沢線 信濃大町駅(9:05)→扇沢駅(9:45) 04186 ※参考 片道運賃1,360円


駅頭の様子!

雨が激しいので、駅舎の写真を撮っていない。急いで切符売り場に並ぶ。


立山黒部アルペンルート乗車券 扇沢-黒部ダム(2,570円・往復割引)

大町の切符売り場は現金のみだったが、扇沢ではクレジットカードも使える。ここも往復だと安くなる。アルペンルートは長野県から富山県へ(その逆の経路で)通り抜けるのも一般的である。しかし今日は黒部ダムまで行き、引き返してくる。もったいないと言われるが、天気も悪いし、通り抜けるのはまたの機会に。切符を買って、売店で雨傘を買う。


改札口

大町からのバスは空いていたが、次のバスには改札に行列まで出来ている。扇沢まで観光バスで来ている人が多い。マイカーの駐車場もある。バスガイドさんが旅行の幹事さんに切符を渡して説明している。この先はマイカーや観光バスでは進めない。これから乗るのは関電トンネルトロリーバス。トロリーバスは無軌条電車と言い、レールは無くとも鉄道の範疇となる。昭和39年の開業以来、トロリーバスが走ってきたが、今年を最後にトロリーバス(無軌条電車)は廃止されるという。日本では数少ないトロリーバス。無くなる前に乗っておこうとやって来た次第である。ちなみにトロリーバスは廃止となるが、来年からは充電式の電気バスによる運行となる。扇沢から黒部ダムへの交通機関が無くなる訳ではないが、鉄道(トロリーバス)からバス(電気バス)に転換となる。


関西電力 関電トンネル無軌条電車 [300形] (扇沢)

改札が始まり、プラットフォームに上る。こちらがトロリーバス。路面電車がバスになった感じである。架線からの電気で走る。自動車登録番号標(ナンバープレート)は無い。


乗車券の裏面には「関西電力」の文字が!

関西電力直営のトロリーバスである。関西電力の所有する関電トンネルを走る。


車内はローカル路線バスのようだが…


通電中pika

プラットフォームに見慣れぬ表示がある。運転士さんも、トロリーバスとも列車ともいう。いよいよトロリーバスが走り出す。警笛、VVVF、モーター音。まさに電車である。


bus 雨の扇沢を出発symbol6




4両のトロリーバスが続いて走る!


全長5.4kmの大町トンネル(関電トンネル)に入る!

トンネル内は真夏でも気温が10度かそれ以下で、トロリーバスには冷房はない。


破砕帯に差し掛かる!

トンネル掘削中、大量の地下水が作業を阻んだ破砕帯。80m掘り進むのに7ヶ月を要したそう。タモさんはここで降ろしてもらっていた。番組を見てトロリーバスが今年限りと知り、やって来た訳である。今までいろいろな乗り物に乗って来たが、ここのトロリーバスは久しぶりにテンションが上がる。


長野県・富山県境を通過!


貫通点の先には信号場が!

トンネル内はトロリーバスが1両走れるだけの幅だが、ここだけ広くなっている。狭い道でバスが広くなったところで離合しているだけのようだが、鉄道であるトロリーバスは交換と言うべきだろうか。黒部ダム行も扇沢行も4両が続行運転している。黒部ダム行は4両とも乗客があるが、扇沢行の後側2両に乗客の姿は見えず、回送なのかなと思う。再びトンネルが狭くなって先を進む。トンネルは1本道ではなく、それぞれの出口付近ではトンネルが枝分かれしている。トンネル内にある黒部ダムに到着した。


300形の座席


300形の車内の様子!


関西電力 関電トンネル無軌条電車 [300形] (黒部ダム)


bus トロリーバスで黒部ダムに到着symbol6

関電トンネル無軌条電車 扇沢(10:00)→黒部ダム(10:16) 302 ※参考 運賃1,540円








屋根の上には集電するトロリーポールが!

いつも乗る電車のパンタグラフとは形状が大きく異なる。


プラットフォームの様子!


プラットフォームから展望台への220段の階段を上る!


途中にはベンチが置かれる!

ちょっと土合駅を思い出す。


土合駅のように薄暗くない!

電気は売るほどあるからな。


途中には水飲み場も!

破砕帯の湧水が飲める。水も売るほどある。


地上の展望台に到着! いずれも平成30年9月9日撮影

天気は良くない。扇沢で買った傘がさっそく役に立つ。 (つづく)