あいの風とやま鉄道 あいの風とやま鉄道線 高岡駅・JR西日本 城端線 高岡駅《古城公園口》
(富山県高岡市下関町)
令和5年9月19日火曜日。高岡駅に来ている。高岡を去る前に乗っておきたい鉄道がある。
万葉線 高岡軌道線 高岡駅停留場 (富山県高岡市下関町)
駅ビルの中に万葉線の電停がある。
車止め
今年8月に宇都宮に路面電車が開業したが、新規開業の路面電車は75年振りだという。では75年前に開業したのはどこかと思えば、昭和23年開業の高岡軌道線なのだそう。今回は北陸本線と旧北陸本線の旅だが、高岡に来たので乗ってみようと思う。高岡軌道線は富山地方鉄道が開業させたが、昭和34年に加越能鉄道(現在の加越能バス)に譲渡、平成14年に第三セクターの万葉線株式会社に譲渡されて今に至る。
路面を走っているところを撮る
高岡駅電停に入ってきた
万葉線 高岡軌道線 普通列車 [MLRV1000形] (高岡駅)
越ノ潟
行先は越ノ潟になっているが、本日はレール交換工事の為、東新湊までの運転。東新湊-越ノ潟間についてはバスによる代替運行となるそう。今日は万葉線全線乗りつぶすつもりだったので、乗り残し区間が出来るのはよくない。しかし行けるところまで行ってみようと思う。
万葉線で高岡駅を出発
駅前を行く (高岡駅-末広町)
見えているα-1さんは駅前の方で、泊まっていたホテルとは違う。
万葉線は高岡軌道線(高岡駅-六渡寺)と新湊港線(六渡寺-越ノ潟)の二つの路線からなる。高岡軌道線は一部区間を除いて単線。停留場で交換を行う。
国道8号と立体交差 (市民病院前-江尻)
車庫から列車が出てくる (米島口)
万葉線の本社があるのもこちら。
JR西日本氷見線と立体交差 (米島口-能町口)
万葉線と氷見線が近いところを走っており、乗り換えも出来るようだが、今日は乗り換えない。
つづいてJR貨物新湊線と立体交差
新湊線は氷見線の能町駅が起点、高岡貨物駅が終点の貨物線。JR西日本の路線ではなく、JR貨物の路線である。支線ではなく正式な路線名のあるJR貨物の路線はここだけだそう。
隣接する公園に昔の車両が保存されている[デ5022] (新吉久)
列車は六渡寺駅に至る。これで万葉線のうち高岡軌道線の乗りつぶし終了。しかし線路は続いている。六渡寺の先は路面電車(軌道法)ではなく、鉄道(鉄道事業法)の新湊港線である。列車は直通運転する。広島電鉄の路面電車の市内線と鉄道の宮島線との直通を思わせる。
庄川を渡る (六渡寺-庄川口)
下流側につづき上流側を望む
庄川は岐阜県高山市に発し、富山県に入り射水市にて日本海に注ぐ。上流には合掌造りの白川郷や五箇山があり、是非とも訪れたいところではあるが、未だ行った事はない。
整理券
万葉線では交通系ICカードの利用は出来ない。乗車時に整理券を取って、降車時に運賃表で金額を確認して運戦士そばの運賃箱に整理券と運賃を投入する。その万葉線にICOCAが導入される。令和6年度内のサービス開始を予定しているそう。さて、新湊港線は全線単線で路面電車とは違った車窓である。終点の越ノ潟駅まで行きたかったが、本日は東新湊駅まで運転という事で下車する。新湊港線の乗りつぶしならず。
万葉線で東新湊に到着
高岡軌道線・新湊港線 普通 高岡駅(10:15)→東新湊(11:00) MLRV1001-B 運賃400円
万葉線 新湊港線 普通列車 [MLRV1000形] (東新湊)
すぐ先ではレール交換工事中
万葉線の係の方が越ノ潟への代行バスの案内をされているが、越ノ潟へ鉄道で行きたいが、越ノ潟に用がある訳ではない。乗れなかった区間はまた乗りに来るという事で、高岡駅に引き返す。
今は新湊市はない。平成17年に新湊市、射水郡小杉町、大門町、大島町、下村が合併して射水市となった。高校野球で新湊市に覚えがあるし、「港」ではなく「湊」の字という事も知っている。
万葉線 新湊港線 東新湊駅 (富山県射水市八幡町)
駅は工場の入口に隣接
鶴見線のような感じがある。乗ってきた列車は見送って次の列車に乗る事にする。少し高岡駅方に歩いて行って列車が来るのを待つ。
万葉線 新湊港線 普通列車 [MLRV1000形] (中新湊-東新湊)
待合室の様子
東新湊駅に戻ってきた。万葉線の方がおられ、いろいろ話をする。高岡は藤子不二雄の藤本先生(藤子・F・不二雄)の出身地で、高岡市藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーのリーフレット等を頂戴した。万葉線の往路ではギャラリー最寄りの電停で案内もあったし、〔ドラえもんトラム〕ともすれ違った。藤本先生が富山県の出身という事は知っていたが、高岡出身とは来るまで知らなかった。
新湊港線は昭和一桁に越中鉄道が開業させた区間。富山市の新富山駅より伸びる射水線で、昭和18年に富山地方鉄道の路線となる。富山新港建設の為に射水線は分断され、東側は射水線として残り、西側は加越能鉄道に譲渡され新湊港線となり、万葉線に譲渡され今に至る。東側の射水線は昭和55年に廃止された。新港建設で開削され陸路は途絶えたが、橋梁と渡船で対岸に渡れるようである。越ノ潟駅を訪れ新湊港線を乗りつぶしした際には、対岸に渡って射水線の廃線跡を見てみたいと思う。
次の列車がやって来た!
米島口で見掛けた車両である。
万葉線 新湊港線 普通列車 [MLRV1000形] (東新湊)
それでは高岡駅行の列車で出発する。
高岡市内に本社のあるサニーライブグループのキャラクター「ライブゥー」
車内の様子
ラッピングの外観は目を惹くが、車内からの車窓はあまりよくない。
庄川を渡る (六渡寺-庄川口)
六渡寺で新湊港線より高岡軌道線に入る。
この付近は複線 (江尻)
安全地帯がない (片原町)
広電の小網町停留場を思い出す。
大伴家持卿に迎えられ… (高岡駅-末広町)
物部乃 八十… 万葉仮名なので、普通の平仮名で書いておく。
もののふの やそをとめらが くみまがふ てらゐのうへの かたかごのはな
攀折堅香子草花歌一首。万葉集に収められた大伴卿の歌である。天平18年(746)に越中守として着任。国府があったのは伏木。射水郡伏木町は昭和17年に高岡市に合併している。万葉集に多くの歌が収められ、編纂にかかわったと考えられる大伴卿。越中で多くの歌が詠まれた。万葉線の愛称、社名はこれに因むものと思われる。
万葉線 高岡軌道線 普通列車 [MLRV1000形] (高岡駅)
万葉線で高岡駅に到着
新湊港線・高岡軌道線 普通 東新湊(11:25)→高岡駅(12:09) MLRV1006-B 運賃400円
いずれも令和5年9月19日撮影
再び万葉線に乗りに来る事にして高岡を後にする。 (つづく)