旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

台湾日記 高雄で一泊

2005-07-27 10:00:23 | 台湾日記

凱得來大飯店(高雄市) 民國94年7月15日撮影
Kind Business Hotel, Kaohsiung, Taiwan
Friday, 15th July 2005


今夜の宿は予約していない。ガイドブックに載っているホテルのひとつへ電話してみる。公共電話は初めてである。小銭を適当に入れる。電話はつながったが、日本語はできないという。ガイドブックには日本語スタッフがいると書いてあるのに。それなら英語で話そうかと思ったが、私の英語力が相当退化しており、要領を得ないまま通話時間が無くなり、電話は切れてしまった。もう面倒くさい。直接ホテルへ行くまでである。地図に場所も載っている。

高雄の駅舎を出ると蒸し暑さが襲ってくる。駅前には美味しそうな洋菓子をショーケースに入れた洒落たカフェもある。若者向けの洋品店も何軒かある。運河に架かる橋の上に乞食が倒れている。正確には倒れた姿勢で物乞いをしている。ところ変われば物乞いのやり方も違う。前を行く人が皿に小銭を入れて行く。ここの乞食は寒さに凍えることは無かろうが、暑さにやられてしまいそうだ。

先程、電話で予約できなかった(日本語でね)ホテルはすぐに見つかった。ロビーに入るとフロントの女性が先客に応対している。電話に出たのはこの人だろうか。私の番になったので、一応英語で今夜部屋はあるか聞いてみる。こちらの英語が怪しいので筆談を交えてもらって、一部屋確保する事が出来た。料金は980元(約3,538円)である。随分安いのでシャワーはあるのかと聞いてしまったが、むろんバス・トイレ付きである。おまけに夜は飲み物が一杯、朝食もサービスだという。部屋の鍵とテレビのリモコンをもらい、エレベーターで部屋へ。エレベーター内には高雄の六合夜市の案内がある。部屋は広く清潔だった。寝台はダブルである。バス・トイレ広く清潔である。この部屋が980元とは。日本のホテルが料金に対して狭いのだろうか。これなら高雄にもう1泊して鵝鑾鼻まで足を延ばしてもよかった。如何せん格安航空券なので変更は出来ないのだが。値段の割にいいホテルだが、窓から往来を行く車の騒音が聞こえる。窓の無いホテルは静けさを提供する為のものだったのか。テレビをつけると今日も「ドラえもん」「忍者ハットリくん」をやっている。

さて、今日の莒光號(キョ光號、草冠に呂)の混み具合からして、明日の切符は今のうちに買っておいた方がよさそうだ。台北へ戻るまでに途中の街に立ち寄ろうかと考えていたが、席が確保できなかったら大変である。まっすぐ台北に戻る事にする。ホテルを出て、駅へ向かう。先ほどの乞食は橋の欄干を背もたれにして普通に座っている。駅の切符売り場は当日、前売と別れていて、どちらも混んでいる。前売の窓口は銀行のように整理券を引いて、順番になると呼び出される仕組み。待ち時間に紙に希望する列車、区間などを書いておく。今度は忘れないように窗側と書いておく。

切符売り場の向かいに7-ELEVENがある。駅の中の売店から小さなコンビニまで、まるでキヨスクのようだ。店頭には関東煮(かんとだき)がある。台湾に残った日本料理として関東煮(関東でいう「おでん」)がある、と聞いていたが、いくら7-ELEVENだからって、この暑い高雄で食べる人がいるのかと思っていたら、関東煮を食べている男女がいた。寒い時期に酒でも飲みながらというものではなく、おやつのような感じだ。台湾ならではの種もある。駅構内には回転寿司もあって、日本料理は愛されているようだ。切符購入の番になり、事細かに紙に書いておいたおかげで、すぐに切符は買えた。券面を見る限りでは判らないが、窗側の席にしてくれたのだろう。自強號車票(高雄→臺北)は845元(約3,050円)。

切符も買えたので、晩飯にしようと思う。夜市に行ってもよいが、ガイドブックには「しっかり加熱したものを」とあり、身構えてしまう。屋台はやめてホテルの近くの軽食堂に入った。食券を買うようだが、若い女性店員には日本語は通じない。メニューはレジの後に掲げられており、指差す事が出来ない。店員が恐る恐る私を見ている。メニューの漢字を読むしかない。牛肉麵(麺)でも食べようと思ったが、早く注文してあげなきゃと思うから見つからない。無い訳は無いのに。牛肉の文字があったので、意を決して棒読みで読み上げる。「ニューローチャージャンメン」。注文は通った。レシートを見ると、牛肉炸醤麵 $65 とある。席についたが水は出ない。コーラなどあるが、また食券を買うのも一苦労なのでやめる。運ばれてきた牛肉炸醤麵。麺は細いうどんのよう。日本でいう中華麺ではない。炸醤はそんなに好きな味ではない。だから牛肉麵を頼めばよかったのだ。まあこれも台湾の味だろうと平らげる。「謝謝」といって店を出たが、件の女性店員はまだ恐れているのか返事は返ってこなかった。 (つづく)