上士幌の図書館に「魔眼の匣の殺人(まがんのはこのさつじん)・今村昌弘著」があり、
二日かけて読み耽ってしまった。
賞を取った前作「屍人荘の殺人」の続編となる第二弾が本作品で、次作への周囲の期待が
高かっただけに、発表する作者としては、相当プレッシャーがあったと想像する。度肝を抜かれた
奇抜な設定が際立った前作と比べると、どうしても今回の舞台設定はスケールダウンしているように
感じ、これはある程度否めないところか。作中の世界観の多くは、前作の大いなる遺産を引き継いでいる
ので既視感、既読感があるし、やや全般新味に欠けるような気がする。
そうやすやすと凄いアイデアは浮かばないかもしれないが、少し充電期間をおいて、作者には
さらにスケールアップした問題作、話題作となるような続編提供を待ち望みたい。
ところで、どうやら今回の作品の舞台は和歌山県らしい。作中ではW県としか表記されていないが、
関西における距離感といい、携帯の電波も届かない辺鄙な山中の設定といい、まず間違いないだろう。
たしか、屍人荘~が映画化されるようだし、これがヒットして、第二弾で魔眼の匣~もとなると、
ぜひとも和歌山県でロケを敢行いただきたく思う。
それにしても班目機関の研究施設のひとつが、和歌山県内にあったなんて知らなかったよ。
ぜひ今度見学に赴きたいものだ(葬り去られるで)。
ついでに和歌山の観光大使として話を続けると、今回も和歌山ナンバーの車で目立ってしまった
わけだが、インパクトのあった例をひとつ挙げておくと、「わ~すご~い、和歌山ナンバー!
ミカンの国から来たんだ!!」だってさ。わたしゃ、まざり毛糸集めてマフラー編んでるのか~!
♪ ミミミ ミカン ミカンの国から来たおいやん
(おいやん=標準語でおじさんの意)
このあとやっとこさ大雪山登山口の層雲峡まで移動。温泉入浴の準備をしていたら激しい雷雨と
なった。幸い雷、雨ともにある程度の範囲内で収まりはしたが、山中にいた方々は気が気でなかった
だろう。夕方には雨も上がり、雲の隙間から青空も見え始めた。この雷雨を境に、ようやく
天気の変わり目、気圧の谷から抜け出せたようだ。
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