最近日本酒の輸出がアメリカを中心に伸びている。ヘルシーな日本食と共に、相性のよい食中酒として、当然のこととして日本酒が評価されているのだ。
ただし、輸出されている日本酒は、圧倒的に純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒など純米酒系だと聞いている。つまり本来の日本酒が評価されているのだ。過去三回のブログ「外国で飲む日本酒」の中で、私が「日本人はアルコールや糖類、調味料などを混ぜたイカサマ日本酒を飲み、外国人は本物の日本酒”純米酒”を飲んでいるとは何事ぞ!」と怒り続けたのはそのためだ。
何度も書いたように、ドイツには500年も維持されている「ビール純粋令」(麦芽とホップ以外のものが入ったものをビールと認めない)があり、イギリスのスコッチウィスキーも原料はおろか水もスコットランドの水を使用することが義務付けられている。ワインにしても何年物のブドウが使用されているか、またそれはどこで獲れたかという原産地証明が厳しく追及される。
わが日本では、戦前までは、清酒は「米と米麹と水」で醸される醸造酒となっていたが、戦後の米不足の中でいろいろ混ぜて増量したまま、米あまりの時代を含む半世紀を過ぎても改められていない。
日本酒の種類にしても、銘柄はもちろん、純米大吟醸からアル添三増酒(これは今年の10月からやっと清酒と認められなくなったが)まで、また生酒から長期熟成酒まで何千銘柄、何十種類とありながら、多くの飲み屋や酒屋で「お酒」と一括されている。(これも最近はかなり厳格に銘柄や種類が表示されるようになったが)
日本人は、これらにあいまいな民族なのだろうか?
そういえば、老舗の雪印や不二家などが想像を絶する製品を国民に供給していたし、ここ数日はミ-トホープ社の”牛ミンチ”が大問題になっている。牛ミンチと言いながら豚や羊や鶏肉まで入っているというからひどいものだ。
日本人のあいまいさが、このような風土を育むのであろうか?
日本酒の世界はその典型であると言えよう。