旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

久しぶりのロシア料理

2010-05-01 13:08:49 | 

 

 渋谷道玄坂の東急プラザ9階に、『渋谷ロゴスキー』というロシア料理屋がある。そこで久しぶりにロシア料理を食べた。
 なぜそれを食べたかという確たる根拠は無い。「何か美味しいものでも食うか・・・」といいながらワイフと家を出たのだが、どこに行くか定まっていなかった。2、3日前、「もう一度行きたい街・・・」について話し合いながら、幾つか挙がった中にサンクト・ペテルブルグがあり、しかしそこで何を食べたか思い出せないなあ・・・という話になっていた。ロマノフ王朝の絢爛豪華な遺産は目に残っているが、意外に食べたものが浮かんでこない。
 じゃあ、ロシア料理にするか、ということで入った店だ。中々いい店であった。渋谷駅南口広場に面した席に着くと、だんだん暮れ行く夜景が美しい。出てくる料理もボルシチとかペロシキとか、未だ実物と名前が一致しないが、その語感が懐かしい。
 ワイフのとったコース「ナターシャ」のメインディッシュは『えびとキングサーモンのパイ包み焼き』、私のコース「スラブ」のそれは『スラブ風牛フィレ肉の鍋焼き』、それをそれぞれシェアしながら食べて、最期の料理が『漁師風海の幸のつぼ焼き』・・・。私は「つぼやき」と言うのでてっきり「さざえのつぼ焼き」と思い、何でロシア料理にさざえのつぼ焼きがあるのかと不審に思っていると、出てきたのはグラタンであった。コーヒーカップの上がつぼまったような容器(言われて見れば壷だ)に海の幸のグラタンが詰められ、上にパンが被せられて保温よろしく温められている。いかにもロシア・・・という感じがした。

 これらの料理を、先ずロシアを代表するビール「バルティカ」のスタウト(黒ビール)、次いでグルジアの白ワイン「ツィナンダリ」、最後はウォトゥカ「ストリチナヤ」を飲みながら食べた。バルティカもストリチナヤもサンクトペテルブルグで毎日飲んだことを思い出した。あれは2001年の6月であったので、かれこれ10年前だがそのときの酒の味だけは鮮明に覚えている。食べた料理は「にしんの酢漬け」以外はあまり覚えていないが。
 それにしても、ロゴスキー」さんは結構でした。


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