旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

普天間問題をめぐる鳩山首相の功罪③

2010-05-17 21:39:08 | 政治経済

 

 何となくピントがボケていて、一般国民感情とずれている「宇宙人」鳩山首相は、この緊急事態の日本国首相には無理であろう。カネの問題で「起訴に相当する」とされた小沢幹事長ともどもお引取り願いたいが、これがまた、そう甘くなく(特に小沢が)、こんなことには粘り腰を発揮するのかもしれない。

 それはさておき、謀ってか計らずもか知らないが、書いてきたように普天間問題では幾つかの「功」があった。その功績としてもう一つ付け加えておきたいのは、「海兵隊は抑止力足りうるか」ということを国民に提起したことである。
 そもそも海兵隊は「殴りこみ部隊」で、いざ戦争、というときに真っ先に敵国に殴りこむ部隊だ。国を守る部隊ではない。つまり、何かあったときに日本を守ってくれる部隊ではなく、こんなものは「国を守る抑止力」足り得ない、というのが鳩山首相の従来の考えであったのだろう(今回撤回したが)。
 一般に見られる「武力で平和を維持する」とする強硬論者は、「下手なことをしたら核をぶち込むぞ」として核兵器を最大の抑止力とし、同じ意味で、「下手なことをしたら“殴りこむ”ぞ」として海兵隊を抑止力とするのだろう。この手の方々は「先制攻撃論」などという怖い理論も持っているので、とにかく力が頼りだ。
 ところが鳩山首相は“育ち”が違う。「力」で「平和」という矛盾概念はとり得ない。平和は、あくまで「話し合いによる平和」であるべきであろう。少なくとも「殴りこみ部隊」が「平和をもたらす」と言うのは彼の哲学になかったのではないか? 残念ながら周囲の説得か、彼をとりまく雰囲気の中でか、取り消してしまったが・・・。

 彼は少し早く生れすぎたのかもしれない。しかし日本国民は、彼の問題提起をじっくり噛みしめ、進むべき道を考えてみるべきかもしれない。


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