旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

普天間問題をめぐる鳩山首相の功罪②

2010-05-16 13:21:03 | 政治経済

 

 モタモタの続く民主党の体たらくは、政権交代に期待しただけに情けない状況だ。ただ普天間問題で、首相が計らずも提起した「基地の在り方」、「日米安保条約のあり方」などは、久しぶりに日本国民の目を覚ました。日本国民は、ようやく国の防衛、日米のあり方などを真剣に考えるに至ったのではないか? その点では首相の怪我の功名といえる。自民党の連中などは「パンドラの箱を開けた」などといっているが、逆に言えば、これまで「ふたをしてきた“避けて通れない問題”」を、初めて全国民に提起したとのだ。
 首相の提起した「これ以上沖縄に負担はかけられない。何とか国外(少なくとも県外)へ」という問題を、日本国民は頬かむりしてはいけないだろう。「常時駐留なき安保」についても、戦後65年を経て「国内に85箇所も外国の基地がある」とか「島の18%が外国の基地」などの状況などを、そろそろ「何とかしよう」と自分のこととして考えていいのではないか。

 今すぐ安保条約を廃棄しようなどと殆どの人は考えていない。しかしもう少し基地を減らしていっていいのではないか。米軍基地が減れば、本当に中国や北朝鮮が攻めてくるのだろうか? 万一攻めてきた時、アメリカは座視するのだろうか? とすれば、それこそ日米関係って何だったのだろう?
 そんなことになれば膨大な金がかかるという人もいるが、本当にそうか? 日本の軍事力は弱い、GDP比で0.9%でこれはヨーロッパ各国に比しても半分か三分の一だ、などといわれる。しかし実額で見れば相当な額だ。スェーデンストックホルム国際平和研究所の2009年年次報告によれば、以下の通り。(単位億ドル)
 一位アメリカ6070、二位中国849、三位フランス657
 四位イギリス653、五位ロシア586、六位ドイツ468
 七位日本463、八位イタリア406、九位サウジ382

 こう見ると、断トツのアメリカを除けば、実額では大差ない。中国が増えているが、それを除けば日本はヨーロッパの国々と比肩している。もうそろそろ、アメリカの属国の地位を抜け出し、アメリカとはもちろん世界各国と平等な友好条約を結ぶ道を求めてもいいのではないか?

 私がこのようなことを言うと「甘い! お前みたいな“ノー天気な平和ボケ”がいるから困る」と言われる。しかし、半世紀以上もアメリカの基地の国(世界に類例がない!)に身をゆだねてぬくぬくとしているのも、かなりの“平和ボケ”ではないか。


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