旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

日本酒は消え去るのか? … 飲み放題メニューになかった日本酒

2012-09-03 12:55:21 | 

 

 先日、池袋の某結婚式場で開催中の「飲み放題暑気払い」に会社のみんなと参加した。飲み放題料金は一人2千円、料理は屋台が立ち並んでいるのでそれぞれ購入するという仕組みだ。
 私はあまり食べないし、反面酒は飲む方なのでこのような仕組みは大歓迎だ。焼き鳥か何かを少し買って、飲み放題の酒を飲んでおれば、3千円もあれば十分愉しめるということだ。

 ところが…、ビールを2杯飲んでいよいよ酒にするかと注文すると、驚いたことに日本酒は飲み放題のメニューに入っていない。アルコールはビールとワインとウィスキー類だけだという。そもそもフランス料理を専門とする店だけにワインが中心なのかもしれないが、当日の屋台料理は焼き鳥や焼きトウモロコシや焼き野菜など、十分に日本料理だ。野外は結構暑いので、日本酒のオンザロックか何かでキューッと行きたいところだ。しかし、そこに日本酒はない!

 「国税庁統計年報書」によれば平成22年度(22年4月~23年3月)の国内酒類製成数量は8,258kl。内日本酒の製成数量は447klであるので、日本酒のシェアーは5.4%だ。この数量はおそらくアルコール度20%換算の数量であろうが、このシェアーは心寒い。
 消費業界には「シェアー5%を割った商品は消費者の記憶から消えていく」という恐ろしい言い伝えがある。日本酒は市場から消えて行こうとしているのだろうか…?

 一方で純米酒を中心においしい日本酒がたくさん生まれていることを知っている。純米吟醸、山廃純米などなど、日本酒は戦後最高の水準を示現しようとしていると思う。にもかかわらずシェアーはどんどん落ちていく。
 古川元久大臣が「日本酒と焼酎を国酒として世界に広めたい」と発言しているが、早くしないと間に合わないのではないか? 世界に示すどころか、国内で消えてしまうのではないか?
 ただ、多くの人に求められないのならどうしようもないことであるが…。


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