八月の中ごろから快晴の猛暑が続いたが、このところようやく午後になると雨が降る日が多くなった。子供のころから体験してきた「普通の日」に帰ったような気がしている。
ただ違うのは、降る雨の激しさである。底が抜けたような雨となり、多くのところで災害が起こる。台風でもあるまいし、普通の日の雨が災害を起こすようでは困る。各放送局の天気予報でも、「所によっては猛烈な雨となり、傘も役に立たない状況が予想される」と報じている。
昨日の朝出かける用意をしながら、「快晴だけど午後は雨のようだな。傘は持つか…」とつぶやいていると娘が、「ひどい雨で傘は役に立たないようよ。役に立たないものをなぜ持つの?」と言う。それもそうだな、とは思ったが「午後は雨」という予報に傘を持たないのもどうかと思い、複雑な思いで折りたたみ傘をカバンに入れた。
予報通り、快晴の空は午後一転して真っ暗になり雨となったが、職場の浜松町でも、わが家の八幡山でも大した降りではなく、折りたたみ傘が十分に役に立った。しかし所によっては傘が役に立たないぐらいに降ったのだろうし、幸いであったと思うべきかもしれない。
ところで、娘は傘を持って出たのだろうか? まだ確かめていない。
日本列島に横たわる秋雨前線をはさんで、北側の秋と南側の夏がせめぎ合っている。せめぎあいの焦点で、南側の湿った空気が北側の冷気に冷やされて雷を伴う急激な雨となる。そのせめぎあいの度合いが、昔と違って激しくなってきているのであろう。
しかし、こうして晴れの日と雨に日が交互に到来しながら秋が深まっていくのである。